創立から110年間で11万台のクルマを生産
東京・青山にあるアストンマーティン 青山ハウスにおいて、アストンマーティンのチーフクリエイティブオフィサーであるマレク・ライヒマン氏によるデザインセミナーが開催された。
当日はF1日本GP開催直前ということもあり、アストンマーティンF1チームのアンバサダーを務める元F1ドライバーのペドロ・デ・ラ・ロサ氏も登壇。かつてフォーミュラ3やフォーミュラニッポンに参戦し、日本にいた経験やアンバサダーについても語ってくれた。
ライヒマン氏によるデザインセミナーはまず、アストンマーティンの歴史を振り返るところから始まった。1913年の会社設立から110年間で11万台の車両が生産されるが、トヨタなら3日間で作ってしまうその生産台数はアストンマーティンには希少性があるという。
「DB9はアストンマーティンにとって、現在のモデルの始まりでもありました。それは接着アルミニウム構造の採用です。溶接ではなく接着という手法を採り軽量化を図ったモデルです」
ほかにONE-77やDB12やヴァンテージ、アストンマーティンの各モデルの解説を行った。
電気自動車になってもアストンマーティンの美しさは変わらない
続いて、デザインのDNAについては、「カーデザイナーは、自動車エンジニアなしには存在し得ません。エンジニアとカーデザイナーは、製造部門の人たちなしには存在し得ません。そのトライアングルはとても重要な部分であり、そのトライアングルの中にいる全員が、こだわりを持たなければならない。またデザインの基本理論は黄金比で、それは自然の中に存在します。たとえばオウムガイは、この黄金比例の法則に当てはまります。幅、高さのセグメントの比率が1/3から2/3になります。自然や数学が美しい物体を作り出すことを考えると、私たちカーデザイナーは黄金比に沿ってデザインをしています」
最後にライヒマン氏は電動化について語った。「私たちは将来へ向けて電動化モデルを開発しておりますが、デザイナーとしては本当にエキサイティングしています。V8やV12という制約を持たなくてよいわけです。その制約が取り除かれ、信じられないほど小さいクルマにすることが可能です。電気自動車になっても美しさは変わることはありません」