4年ぶりの訪問。変わらない匠の息遣い
マリナー部門が好調と伝えられるベントレーのクルー本社を、およそ4年ぶりに訪ねた。
世界最古のコーチビルダー(馬車ならびに自動車用ボディの製造者)のひとつとされるマリナーは16世紀の創業。1959年にはロールスロイスとベントレーによって買収されたが、両ブランドが1998年に企業として独立すると、マリナーはベントレーの一部門となって、いまも匠の技を発揮し続けている。
現在のマリナーは、特別なボディを架装した10台前後の限定モデルを開発・製造する「コーチビルディング」、ベントレーの歴史的モデルを現代の技術で甦らせてごく少数を製造・販売する「クラシック」、そして現行型ベントレーを華やかに彩る「コレクション」の3事業を柱としているが、なかでもベントレーの業績にもっとも貢献しているとされるのがコレクションである。
もっとも、ひとことでコレクションといってもその活動は幅広く、通常よりも高級なオプションとして設定されているマリナーオプション、現行モデルの1グレードとしてラインナップされているマリナーデリバティブ、顧客の好みに応じて特別な1台を仕立ててくれるビスポークといったプログラムが用意されている。
フルオーダー可能なビスポークプログラム
このうち、ビスポークプログラムでは、クルー工場内に特別なオーダールームを用意。高精度なコンフィギュレーター(一種のコンピューターシミュレーター)を用いながら、専任のスタッフとともにさまざまなオプションやカラーを試すことができる。
これに準じたオーダーシステムは日本のベントレーディーラーにも用意されているほか、自宅のパソコンやスマホからベントレーの公式サイトにアクセスしても利用できる。けれども、クルー本社の専任スタッフは知識と経験が豊富なだけに、アナタにぴったりな1台を作り出す強力なサポーターとなってくれるはず。もしも出張などでイギリスを訪れる機会のある方には、是非とも“本場”でのフルオーダーに挑戦していただきたいと思う。