「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ジャガー XKR-Sだ。

ワインディングロードでもハイウエイでも楽しめる

画像: 最高速は300km/h、0→100km/h加速は4.4秒。日本の公道では、そのパフォーマンスの一端しか味わえない。

最高速は300km/h、0→100km/h加速は4.4秒。日本の公道では、そのパフォーマンスの一端しか味わえない。

エンジンは、XKR用のものをさらにチューンアップして、パワースペックはXKRの510ps/625Nmに対して、XKR-Sは550ps/680Nmという驚異的な数値を達成している。このハイパワーに対応させるため足まわりもチューンされ、車高はXKRより10mm低められている。ちなみに、公称の最高速は300km/h、0→100km/h加速はわずか4.4秒とアナウンスされている。

走り出してみると、まず図太いけれども回転の上昇ともに甲高くなる排気音が感動的だ。しかも、このパワーユニットは「もっとアクセルを踏みつけろ!」と誘いかけてくるかのように感じさせる。もちろん、それほど踏まなくても十分以上に速いのだが。

乗り心地はスーパースポーツ特有の高速域を意識した締まりのあるものだが、突き上げ感の角がマイルドで拍子抜けするほどコンフォートなもの。これなら日常使いでもOKと感じた。ボディ剛性も高い。ワインディングロードで少しハードなコーナリングを試みても、またハイウエイをクルージングしても、ファン to ドライブが味わえるだろう。

それでも、スタビリティコントロールのダイナミックモードであるトラックDSCのソフトウエアを変更するなど、XKR-Sは公道よりもサーキットで走らせたほうが、より楽しめるクルマであることは間違いないだろう。しかし、そのパフォーマンスの片鱗を一般道でもしっかりと予感させてくれる乗り味には、脱帽するしかないなと感じさせてくれた。

画像: 5LのスーパーチャージドV8は、ジャガー史上最強の550ps/680Nmという驚異的なパワースペックを発生する。

5LのスーパーチャージドV8は、ジャガー史上最強の550ps/680Nmという驚異的なパワースペックを発生する。

ジャガー XKR-S 主要諸元

●全長×全幅×全高:4795×1915×1310mm
●ホイールベース:2750mm
●車両重量:1810kg
●エンジン:V8 DOHC+S/C
●総排気量:4999cc
●最高出力:405kW(550ps)/6500rpm
●最大トルク:680Nm(69.3kgm)/3500rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・71L
●JC08モード燃費:6.6km/L
●タイヤサイズ:前255/35ZR20、後295/30ZR20
●当時の車両価格(税込):1750万円

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