トヨタ bZ4X(TOYOTA bZ4X)
現行モデル発表日:2022年4月12日
車両価格:600万円〜650万円

カーボンニュートラルの実現へ新たな一歩

トヨタからついに登場した量販BEVのbZ4Xは、ご存知のとおりスバルとの共同開発で生み出された。プラットフォームはBEV専用に開発された「e-TNGA」を採用したほか、駆動システムとその制御もスバル ソルテラと共通となる。そのため、bZ4Xの4WDには、ソルテラと同じく路面状況に応じて最適な走行モードを選択できる「Xモード」をトヨタ車としては初めて備えた。

画像: カーボンニュートラルの実現へ新たな一歩

エクステリアは、全長4690mmに対してホイールベースは2850mmと長く、全高は1650mmとSUVとしては低めのプロポーションはスポーティ。大胆に使われた樹脂製の前後フェンダーなども相まって、先進的性とタフな印象もうまく両立させたデザインは秀逸だ。

インテリアは、ステアリングホイールの上から見るトップマウントメーターを採用。コネクティッドナビや音声操作機能、スマートフォンで施錠・解錠からクルマの起動まで行えるデジタルキーなど、見た目だけでなく装備も先進的で、デジタルネイティブ世代にアピールしそうだ。

今回は1モーターのFWDに試乗した。感心させられたのはドライバビリティの高さだ。アクセルペダル操作に対して唐突にトルクが立ち上がったりといったことがなく、スムーズかつ力強く走る。アクセルペダル操作だけで走る、いわゆるワンペダル ドライブも可能だが、こちらも高速域までギクシャク感のないドライブを可能にしているのは、BEVとしては初出と考えれば、上々と言っていい。

一方、フットワークは軽快な反応が心地いい反面、車体が上下に常に煽られる乗り心地に閉口させられた。4WDモデルより85kg軽い車重に対してセッティングが決まっていないようだ。また、ロードノイズなど騒音がけっこう車内に入ってきてしまうのも要改善と言える。トノカバーがあるだけでずいぶん違うのでは? せっかくのBEV、ここは重要である。

最初に量販BEVと書いたが、bZ4XはKINTOでのサブスクリプション販売だけとなるのも特徴だ。クルマづくりも新しければ、売り方、ユーザーとのコミュニケーション手段も新しいこのクルマは、トヨタにとって未来に向けての大きな布石となりそうだ。

トヨタ bZ4X Z(FWD) 主要諸元

●モーター:交流同期電動機×1
●モーター最高出力:150kW(203.9ps)
●モーター最大トルク:266Nm(27.1kgm)
●駆動方式:FWD
●バッテリー種類:リチウムイオン電池
●総電力量:71.4kWh
●サスペンション形式:前ストラット、後ダブルウイッシュボーン
●タイヤサイズ:205/55R17
●車両価格:600万円

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