アドベンチャーするためのトロフィー仕様
2021年、わずか25台という希少な「ディフェンダー ワークスV8 トロフィー」がレストア/リビルトされました。「アドベンチャー対応」を謳うディフェンダー。わかりやすいです。
購入者には、ランドローバーにとっては聖地ともいえるイースナーキャッスルにおいて開催される「ランドローバー・トロフィー・アドベンチャー・コンペティション」への出場権がもれなくついていました。オーナーは、さまざまな地形を走り切るためのトレーニング、テストを受け、3日間のイベントに参加することができたそうです。この「特典」は、のちの第二世代トロフィーにも受け継がれることになります。
ベースの車体は、2016-2016年型。5L V8ガソリンエンジンは405s、515Nmで変わりませんが、サスペンションなどのセッティングは、オフロードでの使用に特化して調整が施されていました。
90系と110系が存在しましたが、ボディはすべて個性的なイースナーイエローに、ナルヴィクブラックのアクセントを施した仕様で統一されました。LEDヘッドランプ、ヘリテージ・フロントグリル、ランドローバー・トロフィーのユニークなバッジ、イベント参加用グラフィックなど、専用装備も豊富に揃います。
2022年7月には第二弾「トロフィーⅡ」がやはり25台で製作されました。フジホワイトボディとナルヴィクブラックのルーフで構成されるエクステリアには、ユニークな明細柄を配置。110ダブルキャブピックアップも、新たに追加されています。
原初のランドローバーをモチーフとするアイラエディション
ランドローバーがそのヘリテージをテーマとする、新しいスペシャルモデルとして製作したのが、「ディフェンダー ワークスV8 アイラエディション」です。2023年5月に発表されたレストア/リビルトモデルで、世界限定30台となります。
テーマは「最初の遺産」。ローバー・カー・カンパニーのマネージング・ディレクターであり、ランドローバーの創設者の一人であるスペンサー・ウィルクスが所有し、使用していたシリーズII aと、ランドローバーという車名が誕生したスコットランドのアイラ島をオマージュしているそうです。
外観は、クラシックな設えが盛りだくさん。オリジナル車両のミッドグレー塗装に似せたヘリテージグレーで塗装、ライムストーン仕上となる頑丈なスチールホイールを備えました。グリルやマッドフラップ部分にも、あえてクラシックスタイルが盛り込まれています。
一方で中身はしっかりワークス V8仕様となっています。各メカニズムももちろん歴代のワークス V8同様に、ブラッシュアップが施されました。
室内は、足もとにカーペットを敷くことで高級感を演出。インテリア細部には、アイラ島とのつながりをさりげなく感じさせるディテールを採用しています。とくにユニークなのが、センターコンソールスペースの処理でしょう。革製タブのついたトレイには、アイラ島のキルホールマン蒸留所から調達されたウイスキー樽のオーク材が使用されます。