モータースポーツで得た両者のテクノロジーをトコトン投入
アバルトとステランティス モータースポーツ、両者が手を組んだ。テーマは、最高出力240hpという超弩級BEV(電気自動車)「アバルト」の製作だ。その成り立ちはそれぞれ違うものの、ともにに持つモータースポーツへの情熱、そして新たなハイパフォーマンスカーを作ろうという強い思いが一致してのことという。
さて、その最高出力240hp「アバルト」だが、現在はプロトタイプの段階となる。プラットフォームはPerfo-eCMP。ステランティスのBEVでおなじみのeCMPをベースに、両者のテクノロジーが余すことなく注ぎ込まれているという。言い方を変えれば、それぞれの持ち味がほどよくブレンドされているということだろう。ちなみ、誕生までには数1000時間のテストが必要とのことだ。
もちろん、この話はプラットフォームだけではない。パワートレーンやサスペンション、ハンドリング、走行安定性、制動力についても同様だ。最高出力240hpを最大限に活かす工夫が絶え間なく行われている。また、ハイパフォーマンスBEVのダイナミック性能をより効果的に発揮できるよう、専用のLSD(リミテッド スリップ デフ)の開発も進められている。
タイヤもひと味違うものが装着される。フォーミュラE参戦の経験から生まれたもので、高いグリップ力と航続距離の延長に寄与するという。また、ポリウレタンをインサートすることで、静粛性が20%向上しているそうだ。
室内は、レースからノウハウを得た人間工学に基づくシートが装着される。4つの部位から成る構造で、縦や横からの揺れから体をしっかりとホールドしてくれ、耐久性にも優れるという。そのコンセプトは「とびきり過激なジャーニー」。ハイパフォーマンスBEVのアグレッシブな走りを、タップリと楽しめるということなのだろう。