1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、メルセデスAMG ONEだ。

メルセデスAMG ONE(MERCEDESーAMG ONE:2019〜)

画像: 2017年の東京モーターショーに展示された「メルセデスAMG プロジェクト ワン」。市販版のメルセデスAMG ONEも、スタイルはほぼ変わらない。

2017年の東京モーターショーに展示された「メルセデスAMG プロジェクト ワン」。市販版のメルセデスAMG ONEも、スタイルはほぼ変わらない。

メルセデス・ベンツはAMGの創立50周年を記念して、同社初のハイパーカーのコンセプトモデル「メルセデスAMG プロジェクト ワン」を2017年のフランクフルト モーターショーでワールドプレミアさせた。F1の最新テクノロジーを投入したハイパーカーだ。

ミッドシップ搭載されるエンジンは、F1由来の排気量がわずか1.6LのV6 DOHC24バルブで、シングルターボを装着。だが、前後に4基のモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを採用し、エンジンとモーターにより4輪を駆動する。後輪の最高出力は500kW以上とされているが、前輪の最高出力は左右それぞれで120kW(×2だから240kW)、システム全体での最高出力は782kW(1063ps)を発生する。

リアのエンジンにはAMGスピードシフトと呼ばれる8速の2ペダルMTを組み合わせ、フロントのモーターは左右別々に駆動力を配分することで、コーナリング性能を高めている。最高速は350km/h以上、0→200km/h加速は6秒以下。また、モーターのみで25kmの走行も可能とされている。

2018年、メルセデスAMGはプロジェクト ワンの市販モデルの車名を「メルセデスAMG ONE(ワン)」と発表した。2019年には、ここで紹介している最終プロトタイプの画像も発表され、販売台数は世界限定で275台、デリバリーは2022年から始まっている。

いかにも空気抵抗の少なそうなボディは、フロントフェンダー上の可動式ルーバーと大型2段可動式リアウイングも特徴的だ。インテリアは最新のメルセデス車に見られるようなワイドディスプレイがメーター用とセンターダッシュのインフォメーションディスプレイ用に備わる。シートは固定式で、ドライビングポジションはステアリングホイールとペダルをスライドさせて調整する。

F1マシンを2シーター化して公道走行を可能にしたようなメルセデスAMG ONE。価格は300万ユーロ(発表当時のレートで約4億2000万円)といわれているが、限定生産の275台は発表時には完売してしまったらしい。

画像: ドアはAピラーにヒンジを備えたバタフライ式。空力性能を重視してリアエンドはロングテール化された。

ドアはAピラーにヒンジを備えたバタフライ式。空力性能を重視してリアエンドはロングテール化された。

メルセデスAMG ONE 主要諸元

●全長×全幅×全高:4756×2010×1261mm
●ホイールベース:2720mm
●車両重量:1695kg
●エンジン種類:V6 DOHCターボ+モーター×4
●総排気量:1599cc
●システム最高出力:1063ps(782kW)
●最大トルク:非公開
●燃料:プレミアム
●トランスミッション:7速AMT
●駆動方式:ミッドシップ4WD
●タイヤサイズ:前265/35ZR19、後295/30ZR20

画像: amzn.to
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