3月9日から10日にかけて三重県の鈴鹿サーキットで開幕したスーパーフォーミュラ2024年シーズン。同シリーズの開幕戦は毎年4月上旬に行われてきたが、鈴鹿サーキットで開催されるF1世界選手権の日本GPが今季から4月にスケジュールが移ったことも影響し、例年より1ヶ月早い開幕となった。国内の2輪ロードレースの最高峰であるJSB1000クラスとの併開催である2&4レースということもあり、サーキットには多くのファンが来場。2日間で3万3000人が現地に足を運び、国内最高峰のバトルに酔いしれた。(文:河村大志/写真提供:井上雅行、日本レースプロモーション)

スタートでトップに立った野尻が隙のない走りで開幕戦優勝

画像: スタートでレースを決めた野尻。

スタートでレースを決めた野尻。

日が差し始めたこともあり、午前中に比べ気温と路面温度が上がるも、気温12℃、路面温度22℃とレースを行うには厳しいコンディションには変わりない。

そんな中、決勝レースが31周で行われた。ポールポジションの阪口は無難なスタートを決めるも、好スタートを決めた野尻がホールショットを奪いトップに浮上。この時点で勝負は決してしまった。

その後方ではデビュー戦となるJujuがターン1でコースオフ。しかし、体勢を立て直したjujuはコースに復帰してみせた。

画像: 低い路面温度が影響したか。Jujuはタイヤをロックさせターン1でコースオフを喫してしまう。

低い路面温度が影響したか。Jujuはタイヤをロックさせターン1でコースオフを喫してしまう。

トップの野尻が快調に飛ばす中、4番グリッドスタートの佐藤が2番手に浮上。ポールシッターの阪口は3番手、以下、山本、山下の順で周回を重ねていく。

2周目のターン1で国本と小高一斗が接触し両者リタイア。このアクシデントによりセーフティカーが出動となった。レースは6周目に再開するが、野尻は関係なしとばかりに後続とのリードを広げていく。

画像: スタートで2番手に上がった佐藤だったが、野尻を捉えることができない。

スタートで2番手に上がった佐藤だったが、野尻を捉えることができない。

10周終了にピットストップが可能になると、上位勢では山本や牧野がピットイン。トップの野尻も13周終了時にピットに入り実質トップでコースに戻る。

路面温度が低い今大会ではアウトラップでのロスタイムが大きくなる。セーフティカーが入らない限り、先にピットを消化する方がロスが少なくなるので、上位勢の早めのピットストップは正解。このピットストップで山下が順位を2番手まで上げることに成功している。

画像: ピットを引っ張った佐藤とは対照的に、いち早く動いた山下が大きくポジションを上げることに成功した。

ピットを引っ張った佐藤とは対照的に、いち早く動いた山下が大きくポジションを上げることに成功した。

そんな中、1人ステイアウトを選択したのが岩佐。残り5周となった時点でようやくピットに入った岩佐はコールドタイヤで苦しいアウトラップで坪井を抑えきり10位にポジションを上げることに成功し、ポイントを獲得してみせた。

そんな岩佐をよそにトップの野尻は安全マージンを築き余裕のチェッカー。タイトル奪還を狙う2度の王者がこれ以上ないシーズンスタートを切った。

2位はピットで順位を上げた山下、3位には昨年の怪我から復帰を果たした山本が表彰台を獲得してみせた。以下、太田、佐藤、福住、阪口、松下、新品タイヤで追い上げを見せた岩佐は9位でチェッカーを受けている。

初レースとなったJujuは17位で完走。予選では大差をつけられたJujuだったが、決勝のレースペースはまずまずのタイムを刻み、トップと同一周回で無事チェッカーを受けている。

画像: 3度目の王者を目指す野尻が完璧なレースを披露した。

3度目の王者を目指す野尻が完璧なレースを披露した。

画像: まずはホンダが1勝を挙げた今シーズン。トヨタの巻き返しはあるのか?

まずはホンダが1勝を挙げた今シーズン。トヨタの巻き返しはあるのか?

2024年 スーパーフォーミュラ 開幕戦 決勝結果

1 16 野尻智紀 TEAM MUGEN 31Laps
2 3 山下健太 KONDO RACING +1.855
3 64 山本尚貴 PONOS NAKAJIMA RACIN+3.091
4 6 太田格之進 DOCOMO TEAM DANDELION RACING+3.845
5 65 佐藤蓮 PONOS NAKAJIMA RACING+13.705
6 8 福住仁嶺 Kids com Team KCMG+15.716
7 38 阪口晴南 VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING+16.833
8 55 松下信治 TGM Grand Prix+17.836
9 15 岩佐歩夢 TEAM MUGEN+18.425
10 5 牧野任祐 DOCOMO TEAM DANDELION RACING+23.912
11 36 坪井 翔 VANTELIN TEAM TOM’S+25.770
12 50 木村偉織 San-Ei Gen with B-Max+30.377
13 14 大嶋和也 docomo business ROOKIE+33.224
14 12 三宅淳詞 ThreeBond Racing+45.170
15 37 笹原右京 VANTELIN TEAM TOM’S+52.160
16 39 大湯都史樹 VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING+53.621
17 53 Juju TGM Grand Prix+1’09.374
18 19 T.プルシェール ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 1’18.873
19 7 小林可夢偉 Kids com Team KCMG DNF
– 20 国本雄資 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL DNF
– 4 小高一斗 KONDO RACING DNF

This article is a sponsored article by
''.