コンチネンタルタイヤ・ジャパンは2024年3月、オールシーズンタイヤの第二弾「AllSeasonContact2(オールシーズンコンタクト・ツー)」を発表しました。サマー、ウインターに続く第3のカテゴリーがもたらした市場動向の変化など、近年のタイヤにまつわるトレンドの変化も含めた「勉強会」は、なかなかに興味深いものでした。

コーナリング時のウェット性能など「苦手」を克服

コンタクト2において、性能向上のために投入された主要なテクノロジーは、以下のとおりです。

画像: アダプティブ・パターンが力の伝達を最適化、接地面後端にあった力の配分を最適化することで、摩耗を低減、ライフを伸ばしている。ドライでのブレーキ性能改善にもつながる。

アダプティブ・パターンが力の伝達を最適化、接地面後端にあった力の配分を最適化することで、摩耗を低減、ライフを伸ばしている。ドライでのブレーキ性能改善にもつながる。

スマート・エナジー・カーカス

骨組みであるカーカスのテキスタイル素材を変更、堅牢さに加え、たわみが発生した時の内部内部でのエネルギーロス(ヒステリシス摩擦ロス)を低減しています。インナーライナーも従来のブチル系ゴムから新素材に変更し、適正な空気圧を保持しやすくしました。

アダプティブ・パターン

Vシェイプパターンをオフセット配置。センター部を右と左でずらして並べることで、広い接地面を確保しています。同時にブロック間をブリッジ構造でつなぐとともに、ブロックの動きそのものの無駄を減らすことができるC字型ブロックを採用、剛性を確保しています。進行方向に向けた力の伝達が最適化されるため無駄な接地が減少、トレッド面後端の接地面からのゴム剥離を抑制して耐摩耗性を高めました。

チリ・ブレンド・コンパウンド

それぞれに性能向上の目的が異なる5種類のコンパウンドをスパイス(チリ)に見立てて、コンパウンドを最適ブレンド。グリップ力向上はもとより、ブレーキ性能、ロングライフ、冷感時からの性能確保など、さまざまな特性を引き上げています。充填剤としてのシリカや、カーボンブラックなどの素材についても見直しました。

C字型ブロック/オープン・ショルダー・グルーブ

アダプティブ・パターンの要素のひとつであるC字型ブロックによる剛性向上は、機敏なハンドリングを実現。さらに外に向かって広がるオープン・ショルダー・グルーブが、排水性を高め、とくにコーナリング時のハイドロ現象を抑制してくれます。

スタッドレスタイヤは得てしてウエット性能が弱点と言われますが、コンタクト2は雨にも強いことも特徴。近年、とみに増えている印象がある「ゲリラ雷雨」などの時にも、安心して履き続けることができそうです。

AllSeasonContact 2の当初の発売サイズは、15~21インチの49サイズ。今後、順次拡大される予定です。価格はすべてオープンプライスとなっています。

画像: 欧州タイヤラベリングをもとに、同等のJATMAラベルで評価すると、ウェットブレーキは「b」、転がり抵抗は「AA」、静粛性は「低車外音タイヤ」に相当するという。

欧州タイヤラベリングをもとに、同等のJATMAラベルで評価すると、ウェットブレーキは「b」、転がり抵抗は「AA」、静粛性は「低車外音タイヤ」に相当するという。

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