ミスを犯しやすい油断のならないステージが待ち受ける
ラリー・クロアチアは舗装路のみを走行する今季初めての「フルターマックラリー」。ステージはバラエティに富み、ハイスピードな流れるようなコーナーもあれば、曲がりくねったテクニカルなコーナーもある。
このイベントが他のターマックラリーと異なるのは、路面のグリップが刻々と変化すること。1本のステージの中でもコーナーごとに違ったり、ひとつのコーナーでもイン側とアウト側で異なることもある。その上、路肩部分の泥や砂利が「インカット走行」により舗装路上に大量に掻き出されるコーナーも多く、またこの時期は雨も多く降ることから、路面のグリップ変化を予想することが非常に難しいラリーとして知られている。
ラリーの中心となるサービスパークは、昨年まで置かれていたザグレブ中心部の見本市会場「ザグレブ・フェア」から、郊外の「ウエストゲート・ショッピング・シティ」へと移動。ステージは隣国スロベニアにも近いクロアチアの北部に設けられる。
ラリーは4月18日(木)にシェイクダウンとザグレブでのセレモニアルスタートが行われ、競技は19日(金)からスタート。
デイ1は、ザグレブの南西に位置する、アドリア海に臨む都市「リエカー」を目指しながら4本のステージを走行。この日はミッドデイサービスの設定がないため、タイヤ交換と簡便な整備作業のみ可能な「タイヤフィッティングゾーン」を経て、午後は4本のステージを午前中と逆の順序で再走。8本のステージの合計距離は119.74kmと、3日間で最長となる。
デイ2の20日(土)のデイ2はザグレブの西側および南側で、4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。最終日となる21日(日)のデイ3は、ザグレブの北側で2本のステージを各2回走行。そのうち、最終のSS20は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。
ステージは全20本でその合計距離は283.28km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1429.34kmが予定されている。
トヨタはこのラリーに、エルフィン・エバンス、セバスチャン・オジェ、勝田貴元の3台がワークスエントリー。一方のヒョンデは、ティエリー・ヌーヴィル、オイット・タナックに、ターマックを得意とするアンドレアス・ミケルセンの布陣でのぞむ。