俳優の水川あさみさんが出演し、「デリ丸」というキャラクターやキャンディーズ「年下の男の子」の替え歌など、軽快でキャッチーなCMが印象的なデリカミニ。2023年5月の発売から1年が経ち、街中で見かけることも増えてきた今、デリカミニとじっくり付き合ってみることにした。乗れば、思わず「ウェイ!」と言ってしまうのだろうか。(Motor Magazine 2024年5月号より再構成)
背の高いスーパーハイトワゴンでも走りは軽快
その印象だが、まず驚いたのは走りの軽快さである。デリカミニの車両重量は1060kgと決して軽くないので、正直走りには期待していなかった。しかし、低回転からトルクのあるエンジンとモーターアシストのおかげで出足は軽やか。急加速が必要になるような場面でも不足はなかった。
ただし、3000rpmを超えたあたりから一気に加速するような特性なので、スムーズに走らせようと思うと回転を上手くコントロールする必要もある。とはいえCVTには回転を高めるSモードやハンドルにはパドルシフトまで用意されているので、走りを率先して楽しむこともできそうだ。
そんな中でさらに好印象だったのは、その乗り心地。4WDモデルには165/60R15という専用の大径タイヤとダンパーが用意されており、荒れた路面での走行も想定して開発されているのだが、一般路での使用では終始あたりがソフトで突き上げ感などは無縁だった。
今回のテスト期間は往復約30kmの都内での通勤がメインだったが、休日には高速道路を使用して往復約300kmのドライブへも出かけた。軽自動車(特にスーパーハイトワゴン)での高速道路といえば、横風や騒音などが気になることも多いが、デリカミニはどうだろう。
高速道路で100km/h走行時のエンジン回転数は約3200rpm。遮音性も高く、巡航時のエンジン音や風切り音はあまり気にならなかった。加速しようと思って回転を高めれば、エンジン音が気になってしまうのは、660ccで3気筒の軽自動車では仕方がないことだろう。
一方でマイパイロットを装備しているため、高速道路の移動は普通車と同じように快適に行える。