この連載では、昭和30年~55年(1955年〜1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第59回目は、FF車の持つ魅力を知らしめたチェリー1000GLの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)

スタイリッシュで合理的な設計の乗用車として支持を得る

昭和45(1970)年に日産が発売したチェリー。テーマは「美しい革新的なスタイル、広く快適な室内、すぐれた走行安定性と信頼性、万全の安全・公害対策、高い経済性と使いやすさを持つクルマとすること」とされた。

画像: 初代サニーなどに採用され、評価の高かった1L直4OHVのA10型エンジンを横置きに搭載して前輪を駆動した。当時としてはそこそこ元気な走りを見せた。

初代サニーなどに採用され、評価の高かった1L直4OHVのA10型エンジンを横置きに搭載して前輪を駆動した。当時としてはそこそこ元気な走りを見せた。

エンジンはA10型。1.0ℓの直4 OHVで、最高出力は58ps/6000rpm、最大トルクは8.0kgm/4000rpmを発生する。

このエンジンは初代サニーですでに定評のあるものだが、FFを採用して横置き搭載としたのがポイントだ。これでクランクシャフトと車輪の回転方向が同じになり馬力ロスが少ないことや、電動ファンによるエンジンルームの冷却性能の高さをアピールした。

画像: シンプルなセダンスタイルはケレン味なくまとまっている。FFということでリアも居住スペース、ラゲッジスペースは広く使い勝手は良い。

シンプルなセダンスタイルはケレン味なくまとまっている。FFということでリアも居住スペース、ラゲッジスペースは広く使い勝手は良い。

トランスミッションとデフは、エンジン下に配置する方式を採った。GLではフルシンクロの4速フロアMTを採用。これは当時のスポーティカーの定番といえるもので若者の心をつかんだ。

もちろん動力性能も優れたものだった。カタログデータで最高速度は140km/hとなっており、当時本格化してきた「高速道路時代」にも十分に安全な走行を可能としていた。

サスペンションは前:ストラット式/後:トレーリングアーム式の4輪独立式で「ハイスピードサスペンション(H・S・S)」を謳った。広い室内、ロングホイールベース、そしてH・S・Sが相まって、上級車に匹敵する操縦安定性と乗り心地を発揮し評価は高かった。

画像: 独立したメーターパネルがインパネに配されるなど、インテリアの質感はサニーなどより格段に向上している。ステアリングもウッドではなく樹脂製のグリップが使用されている。

独立したメーターパネルがインパネに配されるなど、インテリアの質感はサニーなどより格段に向上している。ステアリングもウッドではなく樹脂製のグリップが使用されている。

日産初のFF車として登場したチェリーは、居住性の高さだけでなく、直進安定性や降雪地などでのトラクションの高さによって人気車種となったり、その後のチェリークーペに継がっていく。

日産チェリー1000GL(E10H型)諸元

●全長×全幅×全高:3610×1470×1380mm
●ホイールベース:2335mm
●車両重量:655kg
●エンジン型式・種類:A10型・直4OHV
●排気量:988cc
●最高出力:58ps/6000rpm
●最大トルク:8.0kgm/4000rpm
●トランスミッション:4速MT
●タイヤサイズ:6.00-12 4P
●新車価格:52万5000円

This article is a sponsored article by
''.