今回も、ド派手な改造車が激走しまくる!
さて、前フリはここまでとして、最新作『マッドマックス:フュリオサ』について紹介していこう。タイトルにあるように、今回の主役はフュリオサという女性。2015年公開の前作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』との関連が描かれる、いわゆる“マッドマックス・サーガ”のエピソードだ。
まだ少女だったフュリオサ。果実収穫の際にディメンタス一味に拉致されたことで人生は一変する。母親を殺され、一味から逃亡してこの世界のもうひとつの派閥、イモータン・ジョーの一味に潜入してから、復讐のために命の炎を燃やし続けるフュリオサ。そしてついにディメンタスと対峙する日がやって来る。
今回もこれまでのシリーズ同様、改造車がド派手に登場。そもそも崩壊して物資もない世界の物語なので、昨今の大作アクション映画のような自動車会社とのタイアップで、新車が登場するようなことはない。資料によると、登場車輛の数は145台。そのうち35台がクルマ型で、110台がバイク型とのこと。特に目を引くのが、フュリオサと行動を共にする警護隊長のジャックが使用する巨大物資運搬トラック。ベースがケンワース900シリーズのヘビーデューティ キャブトラックの改造車。一目見てケンワースの900シリーズ トラックと見抜ければ、かなりのクルマ好きといえるだろう。
そもそも『マッドマックス』の世界では、遺されたクルマやバイクから使える部品をいくつも使い回して1台の車輛に改造しているため、ベースが何のクルマだかよく分からないモノが多い。かつて昭和の時代には(現在もあるようだが)海外(主に東南アジアなど)に盗難車を輸出するために2台の車体から部品を構成し直したり、ナンバープレートをつなぎ合わせたりといった、いわゆる「ニコイチ車輛」が作られていたこともあった。
だが『マッドマックス』の世界ではニコイチどころか、サンコイチ、ヨンコイチは当たり前。そのつなぎ合わされた車輛が荒廃した荒野を走り回るのだから、その世界観はさらに広がる効果を持とうというもの。
そんな世界観を思いっきり堪能したいのならば、やはり映画館の大スクリーンで観るのが最適だ。特に今作品はIMAXや4Dシアターでの上映も予定されている。特撮SFアクション映画のようにCG満載の超絶細かい画像だと、巨大スクリーンで観ていて視覚が追いつかないこともあるが、『マッドマックス』のようにカーアクション、大軍勢、荒涼とした大地などなら巨大スクリーンのIMAXがオススメだ。
とにかく細密画像に視覚が追いつかないということはなく、さらに音響も最高水準、この世界への没入感は感動的。一度IMAXを体感してしまうと、普通の映画館での映画体験が物足りなく感じてしまうほど。惜しむらくは鑑賞料金が少しお高くなることだが、『マッドマックス』シリーズのファンならばIMAX鑑賞をオススメしたい。その価値はある、と断言しておこう。(文:永田よしのり)
『マッドマックス:フュリオサ』
●2024年5月31日(金)全国公開
●監督:ジョージ・ミラー
●出演:アニャ・テイラー=ジョイ、クリス・ヘムズワース、ほか
●配給:ワーナー・ブラザース映画
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