この連載では、昭和30~55年(1955〜1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第75回目は、「ヒップアップクーペ」の愛称で親しまれた、三菱 ギャランGTO 2000 GSRの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)

三菱スペシャリティクーペの雄として君臨した

ギャランGTOは昭和40年代半ば~50年代前半の三菱を象徴するエポックメイキングなスポーティ力ーであった。流麗なファストバソク・スタイルにダックテールを組み合わせ、「ザ・ヒップアップクーペ」のキャッチフレーズで売り出した。

画像: ダイナウエッジラインとダックテールによリ優れた空力性能を実現しているギャランGTO。「ヒップアップクーペ」という愛称がついていた。

ダイナウエッジラインとダックテールによリ優れた空力性能を実現しているギャランGTO。「ヒップアップクーペ」という愛称がついていた。

そのフラッグシップとなるのは、1.6L DOHCエンジンを積むMRグレードだったが、MRは厳しい排出ガス規制を乗り切れず、早々に姿を消してしまうことになった。

このMRと前後して登場したのがGT017Xシリーズだ。Ml、Mllグレードの後継モデルとして、昭和47年(1972年)3月に登場した17Xは、1686ccの4G35型4気筒 SOHCエンジンを積む。

シングルキャブ仕様のMlは105ps/15.0kgrn、ストロンバーグタイプの2バレルキャブを2連装したMllが115ps/6500rprn、 15.2kgrn/4500rpmの性能を発揮した。またMllにはボルグワーナー製のオートマチックトランスミッション仕様も加えられた。

そしてギャランGTO MR以上の衝撃をもって人々に迎えられたのが、オーバーフェンダーで武装したスパルタンモデルのGT0 2000 GSRだ。昭和48(1973)年1月にGTOは2Lモデルを主役の座に据えた。そのフラッグシップという位置付けである。

4G52型4気筒SOHCアストロンエンジンは、2バレルキャブを2基装着して125ps/6200rpmの性能を発揮。5速MTを巧みに駆使すれば、最高速190km/hに達し、0→400m加速も16.5秒で駆け抜けた。

画像: 8連メーターが並ぷスポーティなインストルメントパネル。油圧/油温計はコンソールのラジオの上に配されている。3本スポークステアリングも合わせて非常にスポーティだ。

8連メーターが並ぷスポーティなインストルメントパネル。油圧/油温計はコンソールのラジオの上に配されている。3本スポークステアリングも合わせて非常にスポーティだ。

昭和50(1975)年以降はオーバーフェンダーを失い迫力を欠いたが、エアダムスカートを装備してギャランA(ラムダ)が登場するまで第一線で活躍を続けた。

進化版のギャランGTO 17M-IIシリーズも登場

画像: 進化版のギャランGTO 17M-IIシリーズも登場

昭和47年3月、ギャランGTO 17M-IIシリーズがラインナップされる。1.6Lから発展した1.7Lエンジンを搭載した。この1686ccのサターンエンジンは、ストロンバーグ・ツインキャブによる混合気供給とプレミアムガソリンにより115ps/15.2kgmを発生した。Mllには後にATも加わった。当時の価格は85万3000円(ATは90万8000円)だった。

三菱 ギャランGTO 2000 GSR(A57C型)諸元

●全長×全幅×全高:4125×1655×1315mm
●ホイールベース:2420mm
●車両重量:1015kg
●エンジン型式・種類:4G52型・直4SOHC
●排気量:1995cc
●最高出力:125ps/6200rpm
●最大トルク:17.5kgm/4200rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:185/70HR13
●新車価格:94万3000円

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