「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、シトロエン DS5だ。
シトロエン DS5(2012年:ニューモデル)
![画像: C5よりも全長はコンパクトだが、存在感のある独特のスタイル。ドア下部などにもメッキパーツを採用している。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2024/07/04/dd6463162fbee878c7ef8e7e2e70c4aebc11df6a_xlarge.jpg)
C5よりも全長はコンパクトだが、存在感のある独特のスタイル。ドア下部などにもメッキパーツを採用している。
シトロエンのDSシリーズ第三弾となる「DS5」は、スポーツクーペ/サルーン/シューティングブレークのイイトコ取りをしたクロスオーバーRVだ。航空機をモチーフにした独特のインテリアも人気を呼びそうだ。
まず、佇まいがユニークだ。ヘッドランプ上にサーベルラインと呼ばれるクローム仕上げの特徴的なラインが入った、歌舞伎役者の隈取りを思わせるユニークな顔つき。実はボンネットは長く、ボディは短く見せるのに効果的なのだという。ただ個性的なだけではなく、技巧的な手法であるところが、いかにもフランス車らしい。
2005年に発表されたコンセプトカー「Cスポーツラウンジ」を原型としたDS5は、C5がベースになっているのかと思いきや、実はC4/DS4がベース。実際の大きさとしては、背の低いC4ピカソといったサイズ感だが、クーペのようなワゴンのような、新ジャンルのクルマだ。
インテリアも凝っている。シトロエン初のスマートキー採用で、まずはドアノブに触れてロックを解除。すると、腕時計のベルトを模したウォッチストラップという名前のレザーシート(オプション)が出迎えてくれる。見た目はゴツゴツしているが、座り心地はかなりしなやかだ。目の前のステアリングホイールはボトムのフラットさを強調するようなデザインで、むしろ操縦桿と呼んだほうが近いかもしれない。
![画像: 航空機をモチーフにしたというコクピット。ヘッドアップディスプレイ(写真では非表示)やサイド&バックカメラも標準装備する。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2024/07/04/fa36b7036324075855dbea0b8fb9a3a3feb03d59_xlarge.jpg)
航空機をモチーフにしたというコクピット。ヘッドアップディスプレイ(写真では非表示)やサイド&バックカメラも標準装備する。