「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ブガッティ ヴェイロン グランスポーツ ヴィテッセだ。

はるか先のコーナーが、あっという間に迫ってくる!

画像: ストレートでアクセルを全開にすると、まるでワープしたかのように次のコーナーがあっという間に迫ってくる。

ストレートでアクセルを全開にすると、まるでワープしたかのように次のコーナーがあっという間に迫ってくる。

スペインのワインディングロードで1200馬力を愉しむ。目の前に伸びる直線の向こうに霞んで見える次のコーナーが、あっという間に迫ってくる。アドレナリンが体内で吹き出す。恐ろしいまでの加速力を誇るグランスポーツ ヴィテッセのステアリングを握りながら、唯一の救いはボディの大きさを感じさせないことだ。ゴルフを少し大きくしたくらいのサイズなので、タイトなコーナーでもギリギリのラインを攻めることができる。正確なステアリングと恐ろしく利くブレーキはありがたい。

ボディはオープンだが、バスタブ式カーボンモノコックはF1のテクノロジーと同じである。ダンパーに可変機構はないが、速度に応じて車高が変わる。420km/hで走れるクルマゆえ、空力特性はとても重要だ。オーバー300km/hで走行すると、ダウンフォースでボディは500㎏近い荷重で地面に押しつけられている。

続いて、バルセロナ郊外の某テストコースでオーバー300km/hのテストを行った。バンク内を220km/hくらいで走り、出口から加速。次のバンクまでストレートエンドで331km/hをマークしたのが限界だった。410km/hまでにはほど遠いが、300km/hのオープン走行でも助手席の人と話をすることができた。

このグランスポーツ ヴィテッセは、世界で150台の限定モデル。納車まではオーダーから1年近く待たされる。あのデカプリオもオーナーになるらしい。さて、日本にはいったい何台のグランスポーツ ヴィテッセがやって来るのだろうか?

画像: スパルタンだが高級素材をふんだんに使ったコクピット。もちろん革やステッチの色などは自由にオーダー可能だ。

スパルタンだが高級素材をふんだんに使ったコクピット。もちろん革やステッチの色などは自由にオーダー可能だ。

ブガッティ ヴェイロン 16.4 グランスポーツ ヴィテッセ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4462×1998×1190mm
●ホイールベース:2710mm
●車両重量:1990kg
●エンジン:W16 DOHC+ターボ×4
●総排気量:7993cc
●最高出力:882kW(1200ps)/6400rpm
●最大トルク:1500Nm(153.0㎏m)/3000-5000rpm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:リア縦置きミッドシップ4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・100L
●JC08モード燃費:未発表
●タイヤサイズ:前265ー680ZR500A、後365ー710ZR540A
●当時の車両価格(税込):2億3000万円

This article is a sponsored article by
''.