この連載では、昭和30年~55年(1955年〜1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第80回目は、走る楽しさを全面に押し出したコンパクトカー、トヨタ パブリカ・スターレット1200STの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)

若者の人気を独占したスタイルと走りを実現

マイカー時代の呼び水となったパブリカは、昭和44(1969)年3月に初めてのフルモデルチェンジを敢行した。コンセプトを一新して登場したのだった。

画像: 外装はXT、ST、SRの3種類が選べた。内装はトヨタの当時の伝統で、5種からフリーチョイスする方式を採った。タイヤサイズは2種類。

外装はXT、ST、SRの3種類が選べた。内装はトヨタの当時の伝統で、5種からフリーチョイスする方式を採った。タイヤサイズは2種類。

2代目パブリカでは若々しさを前面に出して、エンジンも1.2Lが主役となっていた。この2代目の新路線をさらに進めて開発されたのがパブリカ・スターレットである。

昭和48(1973)年4月にデビューしたパブリカ・スターレットは、ロングノーズ&ファストバックの砲弾型フォルムを特徴とするバレットウエッジを採り入れ、当初は2ドアモデルのみが発売された。

また、セリカ・シリーズと同じように「フリーチョイスシステム」を導入したことも話題となった。エクステリア、インテリア、エンジン、トランスミッションを好みに応じて18種類の中から選ぶことができたことも人気につながった。

メイングレードのSTには、ゴージャスなG、ラグジュアリーなL、スポーティなSという3種類のインテリアが用意され、SRにはモータースポーツ(ラリーカー)の雰囲気が漂うRインテリアが設定されていた。

画像: 1.2L直4OHVエンジンは、エアクリーナーの下にダウンドラフトのツインキャブの組み合わせ。レギュラー仕様(74㎰/9.5kgm)とハイオク仕様(77㎰/9.6kgm )があった。

1.2L直4OHVエンジンは、エアクリーナーの下にダウンドラフトのツインキャブの組み合わせ。レギュラー仕様(74㎰/9.5kgm)とハイオク仕様(77㎰/9.6kgm )があった。

エンジンは993ccの2K型4気筒OHVと1166ccの3K型の2本立てだ。STには3タイプのチューンがあり、シングルキャブ仕様の3K型は68ps/6000rpm、9.5kgm/3800rpmを発 生。2バレルツインキャブの3K-B型は77ps/6600rpm、 9.6kgm/4600rpm の高性能を誇った。なお、レギュラーガソリン仕様は74ps/9.5kgmという性能だった。

昭和48(1973)年10月には4ドア車も追加され、同時にパブリカ・シリーズから独立。トヨタ・スターレットとして代を重ねることになる。

トヨタ パブリカ・スターレット1200ST(KP47型)諸元

●全長×全幅×全高:3790×1530×1310mm
●ホイールベース:2265mm
●車両重量:755kg
●エンジン型式・種類:3K-BR4型・直4OHV
●排気量:1166cc
●最高出力:74ps/6600rpm
●最大トルク:9.6kgm/4600rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:155SR12
●新車価格:62万8000円

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