この連載では、昭和30年~55年(1955年〜1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第87回目は、シャープなフォルムが印象的だった、ランサーの兄弟車ランサー・セレステ1600GSRの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)

スマートなスタイルにラリーのランサーのメカニズム

昭和50(1975)年3月発売の三菱ランサー・セレステは、ランサーのメカニカルコンポーネンツを使ったファストバックのパーソナルクーペである。セレステとはラテン語で「青い空」を意味する。低公害時代ならではのネーミングといえる。

画像: 1.6L直4SOHCに2バレルツインキャブレターを装着した4G32型を搭載したセレステGSR。最高出力は110psだが、900kgちょっとのボディを軽々と加速させた。

1.6L直4SOHCに2バレルツインキャブレターを装着した4G32型を搭載したセレステGSR。最高出力は110psだが、900kgちょっとのボディを軽々と加速させた。

ロングノーズのクリーンエアロ・スタイルと呼ばれるボディは、シャープなラインで構成され、リアにはハッチゲートを装備している。リアクオーターピラーのルーバーはシースルーのスクープウインドウになっていた。

エンジンは1400ccと1600ccがあり、1400ccに は4G33 型 4 気 筒 SOHC(92ps/12.5kgm)を搭載。1600ccは4G32型と低公害MCAIIBシステムを採用したG32A型の2種があり、最強モデルのGSR用は2バレルツインキャブで、最高出力は110ps/6700rpm、最大トルクは14.2kgm/ 4800rpmを発生した。

5速MTを介して、最高速度は170km/h(推定)をマークするなど走りの実力も兄弟車のランサーに勝るとも劣らない。セレステは1400/1600それぞれに4つ、計8種類のグレードがラインナップされ、初年度の年間販売台数は2万2000台以上をマークした。

翌51年11月のマイナーチェンジでリアランプが横一直線のデザインとなり1600GTが追加されたが、昭和52(1977)年6月にこのGTに「システム80」というオーディオシステムを売りとしたモデルが追加された。

画像: リアハッチを持つクリーンエアロ・スタイル。タンブルフォーム・ターンアンダーのリアビューも特徴。テールレンズは前期型(写真)の逆L字形から水平タイプとなった。

リアハッチを持つクリーンエアロ・スタイル。タンブルフォーム・ターンアンダーのリアビューも特徴。テールレンズは前期型(写真)の逆L字形から水平タイプとなった。

昭和53(1978)年2月にはヘッドランプを角形に改め、1400ccはオリオンエンジンに換装された。翌年6月には排気量をアップした2000GTを投入する。G52B型エンジンは最高出力105ps/ 5400rpm、 最 大トル ク16.5kgm/3500rpmで、ブレーキも4輪ディスクを奢った。

三菱 ランサー・セレステ1600GSR(A73型)諸元

●全長×全幅×全高:4115×1610×1340mm
●ホイールベース:2340mm
●車両重量:910kg
●エンジン型式・種類:4G32型・直4SOHC
●排気量:1597cc
●最高出力:110ps/6700rpm
●最大トルク:14.2kgm/4800rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:175/70R13
●新車価格:96万7000円

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