ポルシェ 911ターボが登場してから今年で50年。ポルシェ911のハイパフォーマンスの象徴ともなってきた「911ターボ」の軌跡をたどる短期連載企画、今回は電子制御がもたらした第7世代の成熟ぶりをひも解こう。

第7世代:991ターボ(2013-2019) リア アクスル ステアリングでさらにダイナミックに

991世代の911ターボ「991ターボ」が登場したのは2013 年。ポルシェはドライビング ダイナミクスをさらに引き上げべく、アクティブ リア ホイール ステアリングを採用してデビューした。

画像: フロントに可変リップスポイラー、リアには伸縮式の大型ウイングを装備。大きなダウンフォースを得ている。

フロントに可変リップスポイラー、リアには伸縮式の大型ウイングを装備。大きなダウンフォースを得ている。

これによりコーナリング時の機敏性が高まるとともに、高速道路での高速走行時の安定性がさらに高められた。また、マニュアルトランスミッションは7速化され、7速デュアル クラッチ トランスミッション (PDK) も改良されて素早いギア チェンジが可能となった。

また911ターボとして初めてアクティブエアロダイナミクスシステムを採用。このシステムは3段階に展開するフロントリップスポイラーと3段階に調整可能なリアウイングにより最適なエアロダイナミクスを実現する。

991世代の911ターボ「991ターボ」は先代よりも20psパワーアップしてデビューしたが、2016年に行われたアップデートでさらに20ps向上。後期型では最高出力540ps、最大トルクは660Nmに達し、0→100km/h加速3.0秒、最高速度は320km/hと公表された。エンジンにはダイナミックブースト機能が備わり、アクセルペダルを離してもブースト圧が維持された。

またスポーツクロノパッケージにはモータースポーツからインスピレーションを得た新機能「スポーツレスポンス」を追加。ボタンを押すだけで、エンジンとトランスミッションの応答性が最大20秒間高まった。

991世代の911ターボ「991ターボ」はアクティブ リア ホイール ステアリングやスポーツレスポンスなど電子制御系に大きな進化が見られたが、500psを超えるハイパワーを安全に快適に生かすことが重点を置かれたモデルと言えるだろう。

ポルシェ 911ターボ(2013)[991ターボ-Ⅰ] 主要諸元

●全長×全幅×全高:4506×1880×1270mm
●ホイールベース:2450mm
●重量:1595kg
●エンジン:水冷・水平対向6 DOHCツインターボ
●排気量:3800cc
●最高出力:520ps/6000rpm
●最大トルク:660Nm/1950-5000rpm
●トランスミッション:7速MT/7速DCT(PDK)
●駆動方式:4WD
●最高速:315km/h●0→100km/h加速:3.4秒

ポルシェ 911ターボ(2016)[991ターボ-Ⅱ] 主要諸元

●全長×全幅×全高:4506×1880×1270mm
●ホイールベース:2450mm
●重量:1595kg
●エンジン:水冷・水平対向6 DOHCツインターボ
●排気量:3800cc
●最高出力:540ps/6000rpm
●最大トルク:660Nm/1950-5000rpm
●トランスミッション:7速MT/7速DCT(PDK)
●駆動方式:4WD
●最高速:320km/h
●0→100km/h加速:3.0秒

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