存在感あふれる内外装と俊足をアピールする「GTX」
フォルクスワーゲンのBEV(電気自動車)の進化の加速度は年々増すばかりだ。その中でもBEV最上級グレード「ID.7」の動きが活発だ。ここでは、2024年6月に「ID.7」の新たなファミリーとなった「GTX」と「プロS」の魅力に焦点を当ててみることにする。
まずは「GTX」だが、このモデルは「ID.7」ファミリーのフラッグシップとして位置付けられる。ボディタイプは、他のファミリーと同様にセダンとツアラー(ワゴン)の2タイプを要し、ハニカムグリルに組み込まれたバンパーがエクステリアの格別感を演出している。
ヘッドライトは、IQ.LIGHT LEDマトリックスを採用しリアライトは3D LED。ともにフォルクスワーゲンのロゴが映し出される。足元は20インチのアルミホイールが標準となるが、21インチの選択肢もある。
インテリアは、レッドがアクセントとして使われる。フロントシートのバックレストの「GTX」の文字や、ステアリングのセンターに配されたトリムが代表例だ。そして、アンビエントライトは30色から選ぶことができる。
気になるモーター最高出力は340ps(250kW)。駆動は4WDで、WLTP航続距離はセダンが595kmでツアラーが584 kmとなる。ちなみに、0→100km加速はセダンが5.4 秒でツアラーが 5.5秒だ。
航続距離709kmで快適装備も充実の「プロS」
「プロS」もボディタイプはセダンとツアラーのふたつで、その最大の特長はロングレンジだ。70kWhと80kWhのバッテリーが用意されるが、86kWhではセダン、ツアラーともに709kmの航続距離(WLTP)が可能となる。70kWhバッテリーでは、双方690kmの航続距離(WLTP)だ。
200kWの充電に対応しているのも大きな魅力のひとつだ。従来からある「プロ」が175kWなのでその差は大きく、10%から80%までの充電を約26秒ですますことができる。ちなみに、86kWhバッテリーは「GTX」にも搭載されている。
「プロS」は快適性にもこだわりをみせる。「エレクトリック ビジネスクラス」を標榜する静粛性を追求したインテリアには、シートマッサージやインテリジェント オートマチック エアコンディショナーが装備され、乗員にその恩恵を与えようと待ち構えている。
フラッグシップでスポーツ志向の「GTX」と快適なロングツーリングが楽しめる「プロS」、それぞれ性格は異なるものの、「ID.7」ファミリーの頼もしい新顔であることは間違いなさそうだ。