ラリー4日目にトップに立つも無念のリタイア
「チーム三菱ラリーアート」から参戦した4台のトライトンは、ラリー前半は予定どおり順調に走行。中でも、昨年トライトンでいきなり総合3位に入り、今年も優勝候補と言われたチャヤポン・ヨーターが上位に入るタイムを連発し、最も過酷となったレグ4終了時点で2位以下に20分以上の差をつけて総合首位に立った。
しかし、ラリー残り2日となったレグ5、優勝に向けて走行する中、ヨーターが駆るトライトンにマシントラブルが発生して走行不能となり、そのまま無念のリタイアとなった。
それでも2年目の挑戦となったチームメイトの田口勝彦が、ナビゲーションの難易度が高いコース設定に手こずりながらも堅実に6日間を走り切り、昨年の総合8位から順位を上げて総合5位入賞を果たした。
そのほか、サクチャイ・ハントラクーンは、30番手スタートからレグ1で一気に5位まで順位を上げるも、ミスコースやマシントラブルに悩まされて27位。社員ドライバーとして参戦した小出一登は序盤こそアジアクロスカントリーラリーの難コースに苦戦するも適応能力の高さを発揮して安定したドライブを続け、スタックやマシントラブルで走行不能となったチームメイトをサポートしつつ、最終的には24位で初めてのアジアクロスカントリーラリーを終えた。
■チーム三菱ラリーアート #107ドライバー田口 勝彦選手コメント
「24年型のトライトンのラリーカーは、高いレベルでパッケージがまとまっていて、とにかく乗りやすかったです。私自身としては、昨年より順位が上がった点は良かったと思いますが、もっと上を狙える手応えがあっただけに悔しいです。今年の参戦経験をフィードバックし、来年はトライトンの走行性能もさらに高められると思うので、トップにずっと食らいついていけるようにしたいと思います」
■チーム三菱ラリーアート #137ドライバー小出 一登選手コメント
「私がドライブしたトライトンのラリーカーは量産車をベースとした23年型で、『4LLc』という岩場のためのドライブモードがあります。今回、そのモードを使用してチームメイトのクルマを牽引しながら、40度近い傾斜を難なく登れた時にはトライトンの悪路走破性能の高さをあらためて感じました。“ドライバー”としてラリーを通じて得たものをしっかりフィードバックし、悪路に強く、頼もしい三菱車の開発に繋げていきたいです」
■アジアクロスカントリーラリー(AXCR)2024 四輪部門 総合結果
1位:マーナ・ポーンシリチョード(トヨタ ハイラックスレボ) 14時間22分00秒
2位:スワット・リムジラピンヤ(いすゞ D-MAX) 14時間25分47秒
3位:トンチャイ・クリンケート(いすゞ D-MAX) 14時間36分24秒
4位:塙 郁夫(トヨタ フォーチュナー) 14時間56分48秒
5位:田口 勝彦(三菱トライトン) 15時間34分52秒
6位:オーラーン・ソーンシリラット(いすゞD-MAX) 15時間35分34秒
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24位:小出 一登(三菱トライトン) 23時間08分37秒
27位:チャイ・ハーントラクーン(三菱トライトン) 24時間51分52秒
42位:チャヤポン・ヨーター(三菱トライトン) リタイア
自動車ジャーナリストの竹岡圭さんがサポートカーをドライブ
今回、サポートカーのドライバーとしてチーム三菱ラリーアートに帯同した自動車ジャーナリストの竹岡圭さんは「アジアクロスカントリーラリーはロックセクションや川渡りなど想像以上に過酷なラリーでした。しかもコースが難しい。生命力の強いタイの草花たちは、ラリー車が走るルートを表すコマ図を作ってからラリー本番までの期間で伸び放題になってしまうため、日本人の感覚ではとても道に見えないような場所にも入っていく必要があるので、コドライバーのナビゲーションはさぞかし大変だったと思います」とコメント。
三菱自動車の公式サイトでは8月11日の大会初日から17日の最終レグまでのデイリーレポートを公開している。