2024年9月1日(現地時間)、F1世界選手権第16戦イタリアGPがミラノ近郊のアウトドローモ・ナツィオナーレ・ディ・モンツァで開催され、フェラーリのシャルル・ルクレールが優勝、マクラレーンのオスカー・ピアストリが2位、ランド・ノリスが3位に入った。レッドブルのマックス・フェルスタッペンは6位、RBの角田裕毅は他車に追突されてマシンを傷めリタイアに終わった。

1ストップの奇襲が見事成功、フェラーリが聖地で逆転勝利

フロントロウを独占したマクラーレンの圧勝かと思われたレースは、思わぬ展開でモンツァに集まった大観衆が歓喜する結果となった。

画像: フレッシュなタイヤで猛追するマクラーレンを抑えて、53周を逃げ切ったフェラーリのシャルル・ルクレール。ルクレールはイタリアGPで2度目、通算7勝目を記録。

フレッシュなタイヤで猛追するマクラーレンを抑えて、53周を逃げ切ったフェラーリのシャルル・ルクレール。ルクレールはイタリアGPで2度目、通算7勝目を記録。

画像: 決勝当日は快晴。気温34度、路面温度52度のコンディションでレースはスタートした。

決勝当日は快晴。気温34度、路面温度52度のコンディションでレースはスタートした。

自信満々でレースに臨んだマクラーレン陣営にとって、最初の誤算はスタート直後のチームメイト同士の攻防だった。オーダーなしを公言して臨んだこの一戦、好スタートで先行したポールシッターのノリスに対し、ピアストリが第2シケインで半ば強引に並びかけて首位を強奪。その余波で立ち上がりが遅れたノリスは、ルクレールにもかわされて3番手に落ちてしまう。

ふたつ目の誤算は予想以上にタイヤの持ちが悪かったこと。おかげで1ストップの予定が2台揃って2ストップに戦略変更を余儀なくされてしまったのだ。そしてこの手の内を早々に晒してしまったことで、フェラーリに逆転の隙を与えてしまった。

ピアストリ、ノリスの2回目のタイヤ交換はそれぞれ38周、41周目。これを見たフェラーリはルクレールとカルロス・サインツをステイアウトさせ、1ストップで走り切ることを選択したのだ。フレッシュなハードタイヤを履いたマクラーレンの2台はフェラーリを上回るペースで追い上げてサインツはかわしたものの、ルクレールまでは届かず。大観衆歓喜の中、ルクレールが今季2勝目のトップチェッカーを受けた。

レッドブルに速さなし、フェルスタッペンは完敗

まさかの4列目スタートとなったレッドブルは、ハードタイヤでのスタートを選択するギャンブルに出たがペースが上がらず、その後もハード、ミディアムと繋ぐ2ストップにせざるを得ない展開に。

しかもフェルスタッペンは、1回目のピットストップで右リアホイールが外れずにタイムロスするなどのミスも重なり、6位に入るのが精一杯という惨敗に終わった

チームメイトのセルジオ・ペレスも8位に留まり、ついにレッドブルとマクラーレンのコンストラクターズ選手権でのポイント差は8点の僅差に。ドライバーズ選手権でのフェルスタッペンとノリスのポイント差も62点に縮まっている。

画像: 王者マックス・フェルスタッペンもなす術なし。6位に入るのがやっとで、優勝争いにもからめず、この日はルクレールを祝福するしかなかった。

王者マックス・フェルスタッペンもなす術なし。6位に入るのがやっとで、優勝争いにもからめず、この日はルクレールを祝福するしかなかった。

画像: イタリアGPでの各ドライバーのタイヤ戦略。1ストップが最速と言われていたが、左フロントでグレイニングを心配して2ストップに切り替えるドライバーが多かった。

イタリアGPでの各ドライバーのタイヤ戦略。1ストップが最速と言われていたが、左フロントでグレイニングを心配して2ストップに切り替えるドライバーが多かった。

次戦第17戦アゼルバイジャンGPは9月13日、首都バクーの市街地コースで開幕、決勝は9月15日に開催される。(文:新村いつき)

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