2024年9月5日〜8日(現地時間)、WRC世界ラリー選手権第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャが同国中部のラミアを起点としたグラベル(未舗装)路で開催され、ヒョンデのティエリー・ヌーヴィルが優勝。2位にはダニ・ソルド、3位にはオィット・タナックが入り、ヒョンデが1-2-3フィニッシュを達成した。トヨタはラリー1ではセバスチャン・オジェの16位が最高位。勝田貴元(トヨタ)は金曜日に足回りを損傷させてデイリタイアし、その後再出走したものの30位に終わった。

ヌーヴィルが開幕戦モンテカルロ以来のシーズン2勝目

WRCカレンダーの中でも路面の過酷さでは随一のアクロポリスラリー。戦いを見つめるオリンポスの神々は、選手権争いの天秤をヒョンデに大きく傾けたようだ。

画像: アクロポリス・ラリー・ギリシャで1-2-3フィニッシュを達成したヒョンデ。2022年のこのイベントで記録して以来の快挙となった。

アクロポリス・ラリー・ギリシャで1-2-3フィニッシュを達成したヒョンデ。2022年のこのイベントで記録して以来の快挙となった。

王者トヨタはラリー初日の金曜日から絶望的なアクシデントとトラブルが相次いだ。まず犠牲になったのはエルフィン・エバンス。SS1でパンクに見舞われたばかりか、ターボトラブルで大きなペースダウンを余儀なくされて早くも上位争いから脱落してしまう。

続いてアクシデントに見舞われたのがSS2でベストタイムを刻んで2番手に浮上していた勝田だった。こちらはツイスティなセクションでペースノート情報を勘違いしてコーナーでワイドに膨らみ、右リアにダメージを負ってデイリタイアとなってしまったのだ。

不運はさらに続く、午後のSS5終盤で今後はオジェのGRヤリスにターボトラブルが発生。首位から陥落したばかりか、続くSS6でもタイムロスを喫して4番手まで陥落した。

迎えた土曜日、今度はトヨタ勢総崩れの状況で1-2-3を独占していたヒョンデ勢をアクシデントが襲う。まずこの日のオープニングとなるSS7で、オジェに代わって首位に立っていたタナックが2度もパンクを喫して大きくタイムロス。6番手にまで後退する。

代わって首位となったソルドも午後のSS10でパンクを喫してしまい、ここで金曜日にエンジン不調と路面掃除役に悩まされてペースの上がらなかったヌーヴィルが首位に立った。

ヌーヴィルはその後もトラブルを避ける慎重な走りで土曜日の残るステージと日曜日の3ステージを走り切り、開幕戦モンテカルロ以来のシーズン2勝目を達成。ドライバーズ選手権ポイントでも、土曜日までの首位と日曜日単独4位、そして最終パワーステージの4位で大量ポイントを稼ぐことに成功した。

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