Rd.7-2:レース再開後は他を寄せ付けず。坪井が富士を完全制覇
山本は昨年事故で首を痛めており、今回の接触ではマシンが宙に浮いて着地した際に衝撃が首に響き痛みをあるとのこと。自分では動かずに、メディカルによって救出、その後、担架に乗せられ救急車で搬送されている。
残り3周のスプリントレースとなった決勝だが、坪井はタイヤとOTSを温存しており、一気にスパートしトップチェッカー。レース再開後は福住を寄せ付けず今季富士で行われた3レース全てで勝利を成し遂げた。
2位は福住が入り、KCMGは前日の小林に続き表彰台を獲得、3位は牧野が入っている。4位には佐藤が入ったが、レース後の車検で違反が見つかり失格。苦戦を強いられた野尻は最終的に7位でフィニッシュとなるも、坪井に大きなリードを奪われてしまった。
ペナルティに泣いたのは佐藤だけではない。今回が今季最後のスーパーフォーミュラ参戦となったニック・デ・フリース(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)もだ。
デ・フリースは2周目のアクシデントに巻き込まれ緊急ピットを余儀なくされたが、度重なるSCの導入により前とのギャップがなくなる幸運を得た。そこからポジションを上げていったデ・フリースは8位でフィニッシュ。スーパーフォーミュラでは初の入賞かと思われた。
しかし、31周目に山下健太(KONDO RACING)とターン1で接触した際にデ・フリースが山下をコース外に押し出す形となっており、これがペナルティの対象に。レース結果に5秒のタイム加算ペナルティが科されてしまい11位に降着、ポイント獲得は幻に終わる。
TEAM IMPULは最終戦鈴鹿ラウンドに今季唯一19号車でポイントをもたらせている平良響がステアリングを握ることが決まっている。
今季最多となる3勝目を挙げた坪井が86.5ポイントでランキング首位に浮上。牧野が72ポイントで2番手、野尻は70ポイントでランキング3位に転落している。
残すは鈴鹿のダブルヘッダーを残すのみとなった今シーズン。昨年の宮田莉朋に続き、TOM'Sが連続チャンピオンという偉業を達成するのか、今季覚醒した牧野が初の栄冠に輝くのか、はたまた野尻が再びチャンピオンに返り咲くのか。
チャンピオン決定の舞台は1ヶ月後の11月9日から10日にかけて行われる鈴鹿ラウンド。今年も三つ巴のタイトル決定戦となる今シーズンはどのようなフィナーレが待っているのだろうか。
2024年 スーパーフォーミュラ 第7戦 決勝結果(トップ10)
1 36 坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)41周
2 8 福住仁嶺(Kids com Team KCMG)+1.372
3 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)+2.857
4 6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)+5.020
5 7 小林可夢偉(Kids com Team KCMG)+5.686
6 15 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)+6.578
7 16 野尻智紀(TEAM MUGEN)+8.476
8 3 山下健太(KONDO RACING)+8.874
9 50 木村偉織(San-Ei Gen with B-Max)+10.612
10 39 大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)+11.343