第二期スーパーカーブームを代表する4台はよりハイメカニズムを採用
フェラーリ テスタロッサ(1984~1992年)「512BBの後継車として強い存在感を示す」
1984年に登場したテスタロッサは、512BBの後継としてフェラーリのフラッグシップとなった。デザインは当時のフェラーリ他車と同様、ピニンファリーナの手によるもの。1976mmとワイドな全幅はサイドラジエターを採用したことも一因。それ冷却するため、ドアからリアフェンダーにつながる深いスリットがエクステリアの大きな特徴となっている。
パワートレーンは、512BBiの進化型で、下にミッションを抱えた180度V12で、それをミッドシップに搭載した。バルブ直動式ベルト駆動のカムシャフトを持つDOHCエンジンは、フェラーリ製180度V12としては初の4バルブヘッドを採用。ちなみにテスタロッサとはイタリア語で「赤い頭」を意味し、真っ赤なヘッドカバーがその象徴だ。パワースペックは、欧州仕様で390ps/6300rpmという高出力を誇った。
テスタロッサは1992年まで生産され、フラッグシップの座を512TRに譲ったが、7177台という生産台数は、高価なスーパーカーとしては異例で大成功を収めたモデルになった。
フェラーリF40(1987~1992年)「当時、世界最速を誇ったフェラーリ40周年記念車」
フェラーリの本拠地であるマラネロで、F40が発表されたのは1987年7月。車名は、フェラーリ創立40周年を記念して製作されたことに由来する。F40はグループBホモロゲーション車として開発された288GTのコンセプトを受け継ぎながら、新たなステージを目指したモデルと言える。
低くワイドなフロントエンドからボディサイドにかけて設けられた冷却スロットやインテークダクト、リアにそびえる巨大なリアウイングなど、それまでのピニンファリーナの女性的なスタイルからは一線を画するエクステリアを持つのが第一の特徴。
インテリアもスパルタンで、ダッシュボードとセンタートンネルはフェルトが貼ってあるだけ。室内にドアノブはなく、ワイヤーを引いて開けるなど、公道を走るレーシングカー以外のなにものでもない装備だ。
リアミッドに縦置きされるドライサンプのV8エンジンは、総排気量2936cc。90度V8 4バルブDOHC。IHI製のターボを2基ドッキングし、最高出力は478psに達し0→100km/h加速は4.1秒、0→200km/h加速は12.0秒、0→1000m加速は21.0秒と公表されていた。