モーターマガジン社より「スーパーカークロニクル・完全版」が好評発売中だが、その中から主だった車種をダイジェストで紹介しよう。第6回は2011年から現代までの「第5期スーパーカー」の中から、ランボルギーニ アヴェンタドール、フェラーリ812スーパーファスト、ダラーラ ストラダーレ、ホンダNSXをお届けする。

現代(第六期)のスーパーカーは超弩級の高性能で魅力あふれる

ランボルギーニ アヴェンタドール(2011~2018)「ランボルギーニのフラッグシップとして伝統のV12を受け継ぐ」

画像: ●主要諸元 ランボルギーニ アヴェンタドール:全長✕全幅✕全高=4780✕2030✕1136mm、ホイールベース=2700mm、車両重量=1575kg、エンジン種類=60度V12DOHC,総排気量=6498cc、最高出力=700ps/8250rpm、最大トルク=690Nm/5500rpm

●主要諸元 ランボルギーニ アヴェンタドール:全長✕全幅✕全高=4780✕2030✕1136mm、ホイールベース=2700mm、車両重量=1575kg、エンジン種類=60度V12DOHC,総排気量=6498cc、最高出力=700ps/8250rpm、最大トルク=690Nm/5500rpm

アヴェンタドールのワールドプレミアは、2011年のジュネーブ モーターショー。ひと目でランボルギーニのフラッグシップとわかる独特のスタイリングは自社で手がけた。地を這うような独特のフォルムやV12エンジンをミッドに搭載するなど、基本はカウンタックから引き継いでいるようにも見えるが、中身は高度に進化している。初めてボディにカーボンファイバー製のモノコックを採用したことや、サスペンションもピュアレーシングカーのようなプッシュロッド式を採用した。

だが、最大の進化はエンジンを新開発したことだろう。カウンタックから先代のムルシエラゴまでは、創業以来のV型12気筒を基本的に使い続けてきたのだが、新設計のものに置き換えられた。排気量は6498ccで、デビュー当初のモデルは車名「LP700 ー4」が示すとおり最高出力700psと最大トルク690Nmを発生した。

トランスミッションはマニュアルは設定されずセミAT(シングルクラッチのAMT)のみとなる。駆動方式も4WDのみで、前後の駆動力配分は0:100から40:60まで可変する。公称の最高速は350km/h以上、0→100km/h加速は2.9秒以下とアナウンスされていた。

2016年にはビッグマイナーチェンジで「アヴェンタドールS」へと進化する。車名の最後の「S」は、イタリア語のスピント(Spint)の略で、音楽用語で歌や演奏が盛り上がった様子を意味するが、それが転じてチューニングを意味している。

最高出力は40psアップされて、740psとなり、その発生回転数も8250rpmから8400rpmに引き上げられている。組み合わされるトランスミッションはシングルクラッチの7速AMTのままで、4WDシステムも継承されている。

また、ランボルギーニのカタログモデルとしては初めて4WSシステムを搭載した。低速時には逆位相、高速時には同位相に転舵して利便性と安定性を向上させている。公称のパフォーマンスは、最高速が350km/h、0→100km/h加速が2.9秒とアナウンスされた。

2018年のペブルビーチコンクール デレガンスでは、さらに上をいく高性能バージョンとして、「アヴェンタドール SVJ」が発表された。SVはスーパーヴェローチェの略で、Jはイオタ(Jota)を表し、かつてミウラの特別バージョンとして作られたイオタと同様に、レース走行への熱い思いが込められている。

ミッドに搭載されるV型12気筒 DOHCの排気量は6498ccとアヴェンタドールSと変わらないが、最高出力は30psアップの770ps、最大トルクは30Nmアップの720Nmと、デビュー当時は歴代のランボルギーニV12エンジン搭載量産車では最強だ。

フェラーリ812スーパーファスト(2017~2024)「800psを誇るフラッグシップ的FRスポーツ」

画像: ●主要諸元 フェラーリ 812スーパーファスト:全長✕全幅✕全高=4657✕1971✕1275mm、ホイールベース=2720mm、車両重量=1630kg、エンジン種類=65度V12DOHC,総排気量=6496cc、最高出力=800ps/8500rpm、最大トルク=728Nm/7000rpm

●主要諸元 フェラーリ 812スーパーファスト:全長✕全幅✕全高=4657✕1971✕1275mm、ホイールベース=2720mm、車両重量=1630kg、エンジン種類=65度V12DOHC,総排気量=6496cc、最高出力=800ps/8500rpm、最大トルク=728Nm/7000rpm

それまでのフラッグシップであったF12 ベルリネッタの発展モデルともいえる812スーパーファストだが、デザインも含めて全方位的に進化している。812という車名は、最高出力800psを発生する12気筒エンジン搭載を意味している。

ロングノーズ/ショートデッキのファストバッククーペだがリアエンドはキックアップしたハイテールを採用し、フェラーリ的には「デイトナ」と呼ばれた名車、365GTB/4をインスパイアしているという。とはいえ、ヘッドランプには最新のフルLEDが採用されており、またリアコンビランプには丸型4灯を採用するなど、伝統と革新を融合したスタイリングといえるだろう。

フロントミッドシップ搭載されるパワーユニットは、65度のV型12気筒 DOHCと形式こそF12ベルリネッタのものと変わらないが、排気量は234cc拡大されて6496ccとなり、最新の直噴システムも採用。最高出力は800ps、最大トルクは718Nmを発生。F12ベルリネッタより60psもパワーアップされ、自然吸気で8500rpmまで吹け上がる。しかも、3500rpmから最大トルクの80%を発生している。公称の最高速度は340km/h、0→100km/h加速は2.9秒とされている。

操縦性に関しては、フェラーリ初の電動パワーステアリングを採用し、これを車体電子制御システムと連携させている。その電子制御システムとは、従来からの「サイドスリップコントロール」の最新版や、後輪操舵システムの「バーチャルホイールベース 2.0」で、ドリフト走行をアシストするなど、フェラーリのフラッグシップにふさわしい痛快なドライビングを演出する。

2019年には、デイトナ スパイダー以来50年ぶりにV12エンジンをフロントに搭載したフェラーリのオープンモデルとなる、リトラクタブル ハードトップの「812GTS」が追加設定された。車速が45km/h以下なら走行中でも14秒でトップの開閉が可能だ。

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