韓日ヒョンデオーナー交流会の記事一覧
【第1回】ヒョンデが世界第3位の自動車メーカーである理由は「クルマの良さ」だけではない。韓日ヒョンデオーナー交流会で感じたヒョンデの強さ
【第2回】ヒョンデのオーナーズクラブが国境を越えたクルマ文化の交流。世界中でファン層が拡大中
【第3回】韓日のオーナーが教えてくれたヒョンデのクルマ、ブランドとしての魅力、そして日本で拡張していくサービス展開とは
【最終回】総勢46名による韓日ヒョンデオーナー交流会。直接会うからこそできる、クルマ文化交流は今後も続くファンサービスに
充実したファンサービスで心を掴む
世界自動車販売台数のトップスリーに名を連ねているヒョンデモーターグループ(Hyundai、KIA、Genesis)は、2020年以降の販売台数を続伸し続け、2023年には過去最高の約730万台を記録して好調さを堅持している。事実、アメリカやヨーロッパでは一般の乗用車のほかにもタクシーやレンタカーとして活躍する姿がそこかしこで見られる。そして韓国の国内市場でこの勢いはさらに強く、ヒョンデ単独で約52%、グループ企業のキアも含めると約91%という圧倒的なシェアを持つ、トップブランドである。
こうした躍進の影には、欧州プレミアムブランドのデザイナーを招聘するなどデザイン性の変革が大きな要因として挙げられる。ヒョンデ ツーソン(SUV)やジェネシス G70(プレミアムセダン)などを筆頭としたスポーティで洗練されたデザインだけでなく、KONA(SUV)やスターリア(MPV)のように強い個性を放つモデルなど、とにかくバリエーション豊かなラインナップを展開している。
もちろん販売台数を伸ばしてきた要因はほかにも多くあるが、その中から挙げられるのがファンを熱狂させるイベントの数々だ。

欧米でも販売されているコンパクトSUVのツーソン。スポーティなN LINE(写真)もラインナップする。

プレミアムブランド「ジェネシス」のミドルサイズセダンがG70。2段分割のヘッドライトは独自の意匠だ。

日本でもお馴染み、EV版のKONA。前後の灯火類は横一文字で、ピクセルグラフィックを組み合わせる。

直線と曲面を組み合わせた独特なデザインのMPV、スターリア。驚くほどに広いガラス面も特長のひとつ。
日本においても海外においても、自動車ファンとモータースポーツは密接な関係にあるといわれて多くのブランドがモータースポーツ活動を支援している。ヒョンデもWRCに初参戦した2000年に年を近くして公式ワンメイクレース「Hyundai Click Speed Festival」を初開催、以降名称を変えながら現在「Hyundai N Festival」として行われている。
その特徴は、初心者向けのタイムトライアルから上級者向けのスプリントレースまで出場クラスが細分化されていることで、モータースポーツへの間口を広くしていること。そしてレース以外のコンテンツも豊富に用意されていることもあって、より多くの人がヒョンデブランドを体験できる場となっているのだ。毎回多くの来場客で賑わい、ファンの創出にひと役かっているのだという。
発展を続けるヒョンデのファンサービス
ちなみに2024年10月に開催されたばかりのHyundai N Festivalは、韓国・龍仁(ヨンイン)スピードウェイを舞台に、韓日二大自動車メーカーによるコラボレーションイベントへと発展。
トヨタ自動車との初共催となった「Hyundai N × TOYOTA GAZOO Racing Festival」では、ヒョンデモーターグループの鄭義宣(チョン・ウィソン)会長とトヨタ自動車の豊田章男会長が華麗なショーランを披露、WRCタクシーやジムカーナ競技など来場者参加型のコンテンツを用意して盛り上がるなど、日本でも話題になっていたので知っている人も多いのではないだろうか。Webモーターマガジンでもその様子をレポートしている。
鄭会長はその中で「Hyundaiの高性能ブランド“N”を通じて、すべての自動車ファンの皆さまに感動をお届けし、満足していただけるよう尽力しています。より多くの方々がドライビングの愉しさを味わえるよう、トヨタとともにモータースポーツでも前進し続けます」と、自動車文化やモータースポーツの普及・発展に貢献していくとコメントしている。

龍仁スピードウェイにはヒョンデとトヨタ、両ブランドの車両とモータースポーツドライバーたちも集結。

2024年初頭にモータースポーツイベントの話題で盛り上がったという、鄭義宣会長(左)と豊田章男会長。

WRCタクシーのほかにも、参加者車両によるパレードラップやジムカーナ競技なども用意された。

ヒョンデの高性能ブランド「N」のビジョンを体現するテスト車両「RN24」も展示されていた。
そしてもうひとつ、ヒョンデファンのために用意されているイベントがオーナーズクラブとのコミュニケーションツアーだ。12年前から始まったというこの取り組みは、当初、韓国国内のオーナーズクラブ会長をツアーに招待してオーナー車で国外ドライブしてもらう、おもてなしのツアーだったという。ところが2024年は、参加者の裾野をより広く、そしてもっと多くの人に参加してもらうため一般のクラブ会員が一緒に体験できるツアーイベントへと発展。
2024年11月1日にスタートした「韓日ヒョンデオーナー交流会 Hyundai Korea & Japan Owners Meeting」は、まさに記念すべき第1回イベントとなったわけだ。本記事シリーズ2本目からは、韓国・釜山を出発して神奈川県・横浜で行われたメインイベントの模様をお届けしていこう。
韓日ヒョンデオーナー交流会の記事一覧
【第1回】ヒョンデが世界第3位の自動車メーカーである理由は「クルマの良さ」だけではない。韓日ヒョンデオーナー交流会で感じたヒョンデの強さ
【第2回】ヒョンデのオーナーズクラブが国境を越えたクルマ文化の交流。世界中でファン層が拡大中
【第3回】韓日のオーナーが教えてくれたヒョンデのクルマ、ブランドとしての魅力、そして日本で拡張していくサービス展開とは
【最終回】総勢46名による韓日ヒョンデオーナー交流会。直接会うからこそできる、クルマ文化交流は今後も続くファンサービスに

韓日ヒョンデオーナー交流会のために来日したヒョンデオーナーとその車両。韓国と日本はジュネーブ条約を締結しているため、自国ナンバーのまま互いの国の公道を走行できる。