メルセデス・ベンツ ミュージアムのコレクションから、ちょっと気になるモデル、1964年式の230SL「パゴダ」を紹介しよう。

5500kmもの長距離ラリーで優勝を成し遂げる

この230SLで、メルセデス・ベンツは幸せな中庸を選んだ。つまり、230SLは妥協のないタフなロードスターでもなければ、穏やかに大通りを流すスポーツカーでもない。快適でありながらスポーティな2シーターであり、高い走行安全性を備えている、真のオールラウンダーだった。

画像: 1963年のスパ ソフィア リエージュ長距離ラリーで優勝した、230SL。

1963年のスパ ソフィア リエージュ長距離ラリーで優勝した、230SL。

1967年2月27日、W113シリーズは排気量を2.5Lに拡大し、最高出力は変わらないが最大トルクを向上させた250SLに進化した。さらに1年も経たないうちに、最高出力125kW(170hp)を発生する2.8Lエンジンを搭載した280SLが発表され、よりパワフルになった。

この世代のSLには、モータースポーツの遺伝子もある。オイゲン・ベーリンガーとクラウス・カイザーがメルセデス・ベンツ230SLを駆り、1963年8月27日から31日にかけて開催された、トップスピードで約5500kmを走るスパ ソフィア リエージュ長距離ラリーで優勝したことは伝説となっている。ベーリンガーはこのスポーツカーを「ダンサー」と呼んでいるが、それはホイールベースの長いサルーンよりも操縦性が高いからである。

画像: メルセデス・ベンツ ミュージアムに展示されている、W113シリーズの230SL。

メルセデス・ベンツ ミュージアムに展示されている、W113シリーズの230SL。

W113シリーズの280SLは、1971年3月に生産を終了した。後継モデルは、完全に新設計されたW107シリーズである。W113のSL 3モデルは、8年間で合計4万8912台が生産された。今日、これらのモデルはブランドで最も人気のあるクラシックカーのひとつである。それもそのはず、スポーティさと高いレベルの日常的実用性、快適性、そして時代を超越したエレガンスを兼ね備えているからだ。

しかも、メルセデス・ベンツ クラシックの純正部品が豊富に揃っている。それは、「パゴダ」を維持する上で大きなメリットでもある。古いメルセデスのパーツを探しているのなら、メルセデス・ベンツ クラシックのWebサイトを覗いてみるといいだろう。

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