1974年にドイツで誕生したフォルクスワーゲン ゴルフは、2025 年に日本導入50周年を迎える。ゴルフは当初からスポーティな車両として設計され、1974年の初期段階で、将来の GTI (1976 年にデビュー) が国際 FIA 規則に従って開発されることが想定されていたという。そうした背景のもと、その後、ゴルフにはモータースポーツと深く関係したスポーティなモデルが多数登場している。今回の特集シリーズでは、「スポーティゴルフの50年」を振り返り、さまざまな世代の忘れることのできない8台の象徴的なモデルを紹介しよう。第2回は1986年に登場したゴルフ II GTI グループA ワールドチャンピオンをピップアップする。
グループA車両による最初のワールドチャンピオン
車両番号 02
ゴルフ II GTI グループA ワールドチャンピオン(1986年)
Golf II GTI Group A 'World Champion'
1986年のFIA世界ラリー選手権WRCに参戦したゴルフ GTIは、フォルクスワーゲン モータースポーツの歴史の中でも伝説的な車両のひとつに数えられる。
1974年に創設されたFIA世界ラリー選手権WRCは、グループ4、その後、グループBマシンで競われきたが、あまりにも先鋭化が進みグループBマシンの事故が多発し始めたことから、1986年からグループAにも世界選手権がかけられることになった。
そんな流れの中で、フォルクスワーゲン モータースポーツは第2世代のゴルフ GTIをグループA規定にあわせて大幅にチューン。ボディは880kgに軽量化され、1.8Lターボエンジンは176psまでパワーアップされていた。
そして見事に、ドライバーのケネス・エリクソン(スウェーデン)とコドライバーのピーター・ディークマン(ドイツ) は、このゴルフ GTI でグループA車両による最初のワールドチャンピオンに輝いている。
写真の車両は2009年にフォルクスワーゲン モータースポーツにより完全にリビルトされたモデルで、今もサンマリノの「ラリー レジェンド」など多くの歴史的なレースイベントに出場している。