どんなメニューを施して走りを磨いているのか?
こういった落ち着いた走りと軽快な動きはリアバンパーの裏に設置されたYAMAHA製パフォーマンスダンパーの効果といえます。実はNISMOモデルにも同じようなボディ強化策が施されているのですが、こちらにはダンパーではなく剛性を補うバーが採用されています。この場合、ダイレクト感や路面状況は運転者によく伝わるのですが、乗り心地は悪化する傾向にあります。これを嫌ってオーラ スポーツスペックには適度な伸縮性と剛性を併せ持つパフォーマンスダンパーが採用されているのです。
これ以外にも走りを磨くためのチューニングメニューは足まわりのセッティングや制御系プログラムの変更など多岐にわたります。下にそのレシピをまとめました。
オーテックによると、スポーツスペックはオーラ以外のモデルでもメインユーザーの年齢層は40代後半〜50代前半を想定しているといいます。今回試乗したオーラ スポーツスペックは、スタイリシュでありながら落ち着いた内外装の設えや、スポーティさと快適性を両立した走りもこういったターゲット層にはマッチすると確信できるものでした。
価格に関しては車両本体価格(税込み)で見ればノート オーラの中ではもっとも高いモデルになりますが、下に示したチューニング内容や走りを考えればそれだけの価値はあると感じる人も多いはずです。
(写真:井上雅行)
■ノート オーラ オーテック スポーツスペック の変更点と専用装備
・専用の電動パワーステアリングのアシストマッピング
・各走行モードのアクセルレスポンスを変更
ECO→標準車のECOとNORMALの中間に変更
NORMAL→オーラ NISMOのECOとNORMALの中間に変更
SPORT→オーラ NISMOのNORMALとNISMOの中間に変更
・シャシ制御変更
VDC(ビークルダイナミクスコントロール)→専用仕様
・VCM(ビークルコントロースモジュール)→専用特性に変更
・タイヤをミシュラン e-Primacy(205/50R17)に変更
・フロントスプリングのバネレートを約30%アップ
・フロントバンプラバーを専用形状に変更
・フロントストラットの外筒厚をアップ、減衰特性を変更
・モノチューブリアショックアブソーバを採用し減衰特性を変更
・リアバンプラバーを専用形状に変更
・リアスプリングのバネレートを約40%アップ
・20mm低重心化
・YAMAHA製パフォーマンスダンパー
・大型ルーフスポイラー
・AUTECH SPORTS SPECエンブレム(リアおよびセンターコンソール)
■日産 ノートオーラ オーテック スポーツスペック 主要諸元
●全長×全幅×全高:4085×1735×1505mm
●ホイールベース:2580mm
●車両重量:1290kg
●モーター種類:交流同期電動機
●モーター最高出力:100kW(136ps)/3185-8500rpm
●モーター最大トルク:300Nm(30.6kgm)/0-3183rpm
●エンジン種類:直3DOHC(発電用)
●排気量:1198cc
●エンジン最高出力:60kW(82ps)/6000rpm
●エンジン最大トルク:103Nm(10.5kgm)/4800rpm
●燃料種類・タンク容量:レギュラー・36L
●駆動方式:FWD
●サスペンション形式 前/後:ストラット/トーションビーム
●ブレーキ 前/後:Vディスク/LTドラム
●タイヤサイズ:205/50 R17
●車両価格(税込み):319万8800円