レクサスでもっともコンパクトなLBXに300psを超えるエンジンを搭載、ブランド初のMT車が用意されるなどエンスージアストも注目するモリゾウ RRを、ついに公道で走らせる時がきた。意外だったのは6速MTと8速ATでは、それぞれに乗り味の違いがあったこと。どちらが「自分のスタイル」にあっているのか、しっかり確認してから買うべし。(文:渡辺敏史/写真:井上雅行 MotorMagazine 2024年12月号より)

高級感を覚える8速AT。6速MTはスラスラと軽快

試乗が行われた御殿場や山中湖周辺は、寒暖差や冬季の凍結等の影響で、舗装のコンディションは目まぐるしく変わる。乗り心地を試すにはお誂えな一方で、クルマにはけっこう厳しい環境だ。

画像: 6速MTモデルはセンターコンソール部分が大きく変更されており、MT車の場合はパーキングブレーキが手引き式になる。

6速MTモデルはセンターコンソール部分が大きく変更されており、MT車の場合はパーキングブレーキが手引き式になる。

RRの乗り味や乗り心地は大人のコンパクトカーとして総じて合格点が与えられるものだった。路面のひび割れや橋脚ジョイントなど、微小〜小入力の域では綺麗にショックを吸収する一方で、大きなうねりや凹凸の連続ではややハーシュネスが強く出る癖もある。が、この車格で300ps オーバーを受け止めようという成り立ちを思い出せば、それは納得できないものではない。

ノイズレベルもHEVの基準車同然とはいかずとも、パフォーマンスを鑑みれば十分に快適だ。このエンジンの癖として2000rpm前後でのこもり音がやや大きく現れるが、ノイズやサウンドにまつわるアクティブデバイスがそれを嫌味なく抑えてくれる。

感心したのは8速ATモデルのパワー&ドライブトレーンだ。タウンライドでのじんわりとした発進停止や微妙な加減速などにもまったくストレスが溜まらない。自重も手伝ってか、時折りみせるライド感はBセグメント離れした高級感も覚えるほどだ。

対すれば6速MTモデルはやはりひと回り元気がいい。GRヤリスほどの切れ味はないが、回頭性もスラスラと軽快だから、ワインディングを楽しく走っていれば、時折りクローズドコースにも顔を出したくなるだろう。RRの走る楽しさという軸の中でも、8速ATは少しGT側、6速MTは少しスポーツ寄りと、棲み分けが綺麗にできていたという印象だ。

画像: 今回参加した公道試乗会では富士スピードウェイのショートコース試乗も実施。専用アプリを使ってシフトプログラムなどのカスタムを試した。

今回参加した公道試乗会では富士スピードウェイのショートコース試乗も実施。専用アプリを使ってシフトプログラムなどのカスタムを試した。

【LBX モリゾウRR(6速MT)主要諸元】

●Engine 型式:G16E-GTS 種類:直3DOHCターボ 総排気量:1618cc ボア×ストローク:87.5×89.7mm 圧縮比:13.5 最高出力:224kW(304ps)/6500rpm 最大トルク:400Nm(40.8kgm)/3250-4600rpm 燃料・タンク容量:プレミアム・50L WLTPモード燃費12.5km/L CO₂排出量:186g/km ●Dimension&Weight 全長×全幅×全高:4190×1840×1535mm ホイールベース:2580mm トレッド前/後:1580/1585mm車両重量:1440kg 最小回転半径:5.4m ●Chassis 駆動方式:4WD  トランスミッション:6速MT  ステアリング形式:ラック&ピニオン サスペンション形式前:ストラット後:トーションビーム ブレーキ前/後:Vディスク/Vディスク タイヤサイズ:235/45R19  ●Price 車両価格:6,500,000円

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