モーターマガジン社が2025年1月30日に発行したムック本「GTメモリーズ13 ST165/185 セリカGT-FOUR」が好評だ。ここでは、そのダイジェストをお届けしよう。セリカGT-FOURは、1986年10月に登場し、国産のハイパワーフルタイム4WD車として人気を博した。連載第1回目は流面形ボディが話題となったST165セリカGT-FOURだ。

3S-GTE型ハイパワーユニットとフルタイム4WDを装備

そんな中、86年10月に登場したのがGT-FOURだ。フロントのトランスファーからリアデフをプロペラシャフトでつなぎ、フリーとロックに切り替えられるセンターデフを備えたフルタイム4WDシステムを搭載。当時、ラリーで圧倒的な速さを見せていたアウディクワトロや、人気を得ていたマツダファミリア4WDなどとも重なり、「ラリーのセリカ」のイメージを引き継ぐことにも成功、好意的に受け入れられた。

画像: タイヤはポテンザRE71、サイズは195/60R14が採用され、185psのパワーを4輪に分散して路面に伝える。舗装路でのスポーティ走行も快適。

タイヤはポテンザRE71、サイズは195/60R14が採用され、185psのパワーを4輪に分散して路面に伝える。舗装路でのスポーティ走行も快適。

エンジンもFFの最速バージョンであるGT-Rに搭載されたエンジンがNAの3S-GE型2L直4DOHC(最高出力140ps /6200rpm、最大トルク17.5kgm/4800rpm)だったのに対して、GT-FOURは3S-GTE型2 L直4DOHC+インタークーラーターボエンジン(最高出力185kgm /6000rpm、最大トルク24.5kgm/4000rpm)を搭載し、ハイパワー4WDと呼ば れるのにふさわしいものとなっていた。

画像: サイドビューは、いかにも空力性能の良さを感じさせるスタイリングとなっている。4WDの持つ無骨さをすべて消し去ったのは斬新だった。

サイドビューは、いかにも空力性能の良さを感じさせるスタイリングとなっている。4WDの持つ無骨さをすべて消し去ったのは斬新だった。

4WDの走りを支えるサスペンションは4輪ストラットの独立式。これもGT-Rと同様だが、サスペンション部品の構成や 配置を徹底的に見直し、ハイパワーエンジンを搭載した高性能4WDにふさわしいもの。スタイリングはもとより、このクルマのスポーティな性格を物語るのが5速MTのみの設定だったということ。トヨタのやる気が十分過ぎるほど感じられた。

エクステリアは、GT-FOURとなってもGT-Rと基本的に違いはない。にもかかわらずフロントビューがかなり精悍な印象となったのも事実。それは、エアカットフラップ一体の大型カラードバンパー、丸型のフォグランプ、大型ロッカーモールなどを採用するとともに、リアライセンス ガーニッシュ、サイドエクステンションパ ネルなどをボディ色と同色とし、4WDの ダイナミックさを融合したスポーツ性の強いものとしているからだろう。

画像: FFのGT-Rと基本的に同じスタイリングだが、エアカットフラップ一体式の大型カラードバンパーや丸型フォグランプがGT-FOUR専用になる。

FFのGT-Rと基本的に同じスタイリングだが、エアカットフラップ一体式の大型カラードバンパーや丸型フォグランプがGT-FOUR専用になる。

ボディカラーは、GT-FOUR専用の ミディアムグレーに加え、スーパーホワイト、スーパーレッド の3色。FRのラインナップが消え旧来からの走り好きの嘆きの声が少なくなかった当時、セリカGT-FOURは、特異的に従 来のファンを引き付けながら、さらに新し いファンを獲得していったのは印象的な出来事だった。

ST165セリカGT-FOUR主要諸元(1986年10月発売)

●全長×全幅×全高:4365×1690×1295mm
●ホイールベース:2525mm
●車両重量:1350kg
●エンジン:直4 DOHC+インタークーラーターボ
●排気量:1998cc
●最高出力:185ps/6000rpm(ネット)
●最大トルク:24.5kgm/4000rpm(ネット)
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:4WD
●10モード燃費:10.0km/L
●車両価格(当時):297.6万円

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