先日、新型M5の日本発表が行われたばかりだが、そのM5と日本導入予定のM5ツーリングの海外試乗会がBMWのお膝元のドイツ・ミュンヘンで開かれた。歴代M5の試乗も踏まえた、新型M5の真価はどんなものだったのか。(文:西川淳/写真:BMW AG)
いまだに忘れない「エンジンを楽しむモデル」づくり
G60 5シリーズベースのM5セダンはG90という。ほんの少し遅れて登場したツーリングはG99。その間に“何があったのか?”。とくにないらしい。担当者いわく「G91よりG99の方がなんだか収まりがいいし、クールだろう?」

試乗会では歴代M5の試乗も行われ、そのなかにはE34型M5ツーリング(=初代M5ツーリング)の姿もあった。

4.4L V8ツインターボエンジンにPHEVシステムを組み合わせる。XMよりも強力なシステム最大出力と最大トルクを発揮する。
M3ツーリングが先に復活し大人気を博したから戦略的に一貫性はある。とくにドイツのようなワゴンラブな地域は需要があろう。
国際試乗会には歴代M5の試乗車も用意された。実は過去にもM5ツーリングは存在した。日本未輸入だが、E34とE60時代だ。現場には個人的に大好きなE34 M5ツーリングが用意されていた。
E28からE60までの歴代M5を駆って改めて確認できたことは、Mの魅力の根元がパワートレーンにあるということ。もちろんBMWといえば昔からガソリンエンジンが魅力だった。ところが今やBMWのパワートレーン戦略は“時代の最適解”という枠組みのなかでありとあらゆる種類にまで及んでいる。そんな中でも、Mハイパフォーマンスモデルだけは電動化を主に性能アップへ注ぎ込み、いまだにエンジンを楽しむモデルを作り続けている。新型M5においても期待はまずそこにある。
加えて過去のM5はどれも魅力的なエンジンを中心にパッケージされていた。5シリーズに相応しい快適性をキープしつつ、その時代の高性能を実現していたのだ。