先日、新型M5の日本発表が行われたばかりだが、そのM5と日本導入予定のM5ツーリングの海外試乗会がBMWのお膝元のドイツ・ミュンヘンで開かれた。歴代M5の試乗も踏まえた、新型M5の真価はどんなものだったのか。(文:西川淳/写真:BMW AG)

より上質になった新型M5。手に負えない感は皆無

新型M5の走りの結論を先に言えば、街中からアウトバーン、カントリーロードまで、そのドライブフィールは一貫して上質だった。歴代モデルの良き伝統を受け継ぎつつ、現代においてスーパーカー級のパフォーマンスを有する凄まじいセダン&ワゴンである。

画像: M5はセダン、ツーリングともにすでに日本発表済み。日本での価格はどちらも、先代M5と据え置きの1998万円という驚きのプライスで登場した。トレッド幅はベース比で前10mm、後15mm拡張されるためワイド感が増す。両側2本出しマフラーは存在感たっぷり。

M5はセダン、ツーリングともにすでに日本発表済み。日本での価格はどちらも、先代M5と据え置きの1998万円という驚きのプライスで登場した。トレッド幅はベース比で前10mm、後15mm拡張されるためワイド感が増す。両側2本出しマフラーは存在感たっぷり。

画像: インテリアは新型5シリーズと共通のデザイン。Mハイパフォーマンスらしく、赤いエンジンスタートボタンが特徴。

インテリアは新型5シリーズと共通のデザイン。Mハイパフォーマンスらしく、赤いエンジンスタートボタンが特徴。

ミュンヘン空港近く。BMWのテストカー施設が試乗会場だ。歴代モデルの試乗を済ませ、まずはセダンに乗る。助手席と後席に仲間を乗せて走り出し、最寄りのアウトバーン入り口へと向かった。

整備の行き届いた道と少々荒れた舗装路を通過したが、早くも同乗者から驚きの声が上がる。乗り心地が良いらしい。なるほど運転席も悪くない。ソリッド感を残しつつ、フラットに走る割には快適だ。実に洗練されている。

最大トルク1000Nmのモンスター。とはいえ手に負えない感覚は皆無。それどころか走り出した途端、初めてのクルマとは思えないほど手も身体も馴染んでいく。1000Nmが制御下にある自信が芽生えた。徐々にペースアップし、アウトバーンで250km/h超まで回し、カントリーロードで一生懸命になって踏んで曲げても、御している感覚と扱いやすい感覚に変わりはない。逆に言うと、スリルはない。もっともその走りに日常域からスリルを期待するようなペッタンコなスポーツカーでもないわけだが。

アウトバーンを降りた。カントリーロードではハンドリングの正確さが際立つ。ステアリングホイールへのわずかな入力を素早く察知したクルマが曲がる準備をしてくれているかのように心地良く曲がる。その動きは速度を上げても極々自然なものだった。

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