北米トヨタは2024年4月、6代目となる新型「4Runner(4ランナー=フォーランナー)」を発表した。4ランナーは日本では1984年からハイラックスサーフとして登場して2009年の4代目まで発売されてきたが、5代目以降は海外専売モデルとして進化を続けてきた。6代目が日本に導入されるかどうかは不透明だが、今回のシリーズ(不定期連載)では、4ランナーがどのように進化してきたのか、その軌跡をたどってみたい。

第1世代:ピックアップをベースにボディを架装して登場 【1984〜1989年】

初代4ランナーはピックアップトラック「ハイラックス」をベースに製造されたSUV。もともとアメリカのコーチビルダー「ウィーネベーゴインダストリー」が人気のピックアップトラック「ハイラックス(1968年誕生)」をベースにボディを架装して製作したのが始まりだった。

画像: 初代トヨタ 4ランナー(日本名ハイラックスサーフ)。ピックアップトラックをベースに、ボディが架装されているのがわかる。

初代トヨタ 4ランナー(日本名ハイラックスサーフ)。ピックアップトラックをベースに、ボディが架装されているのがわかる。

そのアイデアを買い取って、1984年に北米で販売が開始された初代4ランナーは、SUVというジャンルがまだ確立されていない初期、この分野のリーダーのひとつだった。その名前自体が示すように、4輪駆動の多用途性と乗用車の快適さを兼ね備え、モビリティの新たな境地の始まりを示していた。

当初は後部座席はなくシートは2つ。ピックアップトラックをベースに、荷台スペースの上に取り外し可能なファイバーグラスのハードトップルーフの別体キャノピーが設けられていた。キャノピーを取り外すと仕切りのないハーフオープンのピックアップとして使えるのが特徴だった。

飾り気のないデザインのため、当初は単なる箱型のピックアップ トラックに過ぎないと見られていたが、市場の類似車両とは一線を画す注目すべき機能がいくつかあった。

たとえば、スチール製のロールバー、ロールダウン式のリアウィンドウが備わっており、ほかの車両との違いが次第に注目を集めるようになっていく。

初代4ランナーはその後も、Hi-Trac ダブルウイッシュボーン独立フロントサスペンション、ターボチャージドエンジン、4速ATの採用、ダブルキャブの設定、ヘッドライトとストライプの変更などの改良が手を加えられた。

画像: 初代トヨタ 4ランナーは日本ではトヨタ ハイラックスサーフとして販売が開始された。これはその販売に向けて作られたカタログ。

初代トヨタ 4ランナーは日本ではトヨタ ハイラックスサーフとして販売が開始された。これはその販売に向けて作られたカタログ。

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