2WDのベーシックモデルでも、しなやかな乗り味
トルコンレスの8速ATも少しゆっくりとつながるイメージで、街中走行のレベルではスムーズに、スポーティに走らせればダイレクト感のあるものになっている。

3.3L直列6気筒ディーゼルを搭載する「CX-60 XD Lパッケージ」の2WD仕様。車重が1820kgと軽く、軽快なハンドリングを見せてくれた。
それでいて相変わらず直列6気筒らしいスムーズさと吹け上がりの鋭さは魅力的で、FRプラットフォームならではの素直な回頭性が味わえる。注意深く見れば、まだ完全に粗さが払拭されたわけではないものの、これらも含めて、これがこのクルマの個性と考えていいのではないかと思う。
今回は2WDの3.3L直列6気筒ディーゼルモデルと、4WDの3.3L直列6気筒ディーゼルマイルドハイブリッド車に試乗することができた。2WDの3.3L直列6気筒ディーゼルの「XD Lパッケージ」は、発進加速こそ少し鈍いが、1500rpmから最大トルク500Nmを発生してくれるので低速域から力強いし、車重が1820kgと軽いのでワインディングでは軽快なハンドリングを見せてくれる。
一方の4WDの「XD ハイブリッド プレミアムモダン」は、モーターのアシストが効いて発進からスムーズ。ハイブリッドと4WDシステムを搭載する分、車両重量は1950kgとやや大きく、「XD Lパッケージ」ほどの軽快感はないが、燃費は20.7km/L(WLTCモード)と良好だ。
2WDの3.3L直列6気筒ディーゼルモデルか、4WDの3.3L直列6気筒ディーゼルマイルドハイブリッド車か、どちらを選択するのか悩ましいところだが、これは好みで選べばいいだろう。個人的には最後に少しの時間だけ試乗した新グレード「XD SP」にも好印象を抱いた。2WDのベーシックモデルだが、車両重量は1820kgとさらに軽く、しなやかな乗り心地が実現されていた。
課題であった乗り心地を改善したマツダ CX-60が、これからさらにエンジン縦置きFRプラットフォームの魅力を発揮し始める。(文:松本雅弘)