モーターマガジン誌で好評連載の最新BEV長期レポート。2024年7月から10月まではアウディQ8 eトロン 55 クワトロ Sライン を2モデルテストした。前半2回のスポーツバック e-tronに続き、後半2回は、SUVタイプのe-tronをお届けする。
デザイン以外にもアウディブランドの価値は存在する
Q8 eトロンには、アウディらしいところがぎっしりと詰まっている。さすが“フラッグシップ!”と思えることも多い。うっとりするようなデザインの美しさや先進技術といったプロダクトの優秀さもそうだが、それに加えて正規ディーラーのサービス体制もアウディブランドの姿勢があらわれていると感じている。

ブラック化されたフォーシルバーリングスは目立たないがそれでもひと目でアウディだとわかる美しいデザインは所有欲を満足させる。
Q8 eトロンにかぎらず、BEVは充電が不可欠である。この充電を肯定的に捉えるか、否定的に考えるかでBEVへの評価は大きく異なることになる。当然、私は前者で「せっかく充電できる機会があるなら、それを大いに楽しみたい!」というマインドを持っている。そして積極的にアウディ正規ディーラーに設置されているPCAの充電ネットワークを利用しているのだ。
PCAの急速充電ネットワークは大きなメリット
改めて説明すると、このPCAとはプレミアム チャージング アライアンスのことで、アウディとポルシェとフォルクスワーゲンが組んだ急速充電ネットワークだ。アウディとポルシェの正規ディーラーでは日本で最大の150kW級、フォルクスワーゲン正規ディーラーでは90kW級の充電スタンドが使えるというメリットがある。拠点数は2024年10月1日時点で355もある。
時々、アウディやポルシェ、フォルクスワーゲンブランド以外のBEVをテストドライブすることもあるが、PCAの充電スタンドで充電できないことがとても残念だ。PCAの充電ネットワークが使えることはアウディのBEVを積極的に選ぶ理由になるはずだ。

150kW出力のPCAでの充電を経験すると50kWでは不満が残る。