「シーズン最速」のひとつに数えられるジェッダ市街地コース
サウジアラビアGPが行われるジェッダは、サウジアラビア第二の都市。紅海に面する港湾都市で、グランプリコースはウオーターフロントの市街地に作られる。

ジェッダはサウジアラビアの港湾都市で、メッカへの巡礼者の入国港としてだけでなく、近代的なウォーターフロントと歴史的なアル・バラード地区で知られる主要な商業文化の中心地でもある。
そのコースは海沿いの道を折り返すレイアウト。ターン1のシケインから超高速コーナーを経て、12度のバンク角を持つターン13で折り返すと、ほぼストレートとも言える流れるような高速コーナーが続き、再び最終コーナーで折り返す。
最初の折り返しには大きなバンク角が付いているので、最終コーナーをのぞき、F1マシンでは全コースほぼエンジン全開、ドライバーは周回の約80%をアクセルペダルを踏み込んだ状態で走行する。全長6.174kmのコースは「シーズン最速」のひとつに数えられるほどだ。
高低差はなくほぼフラットで、トラックの多くの部分は狭くランオフエリアは広くないが、市街地コースとしては異例なほど高速となる。DRSゾーンは3カ所設けられるが、急激な制動ポイントがないためオーバーテイクは簡単ではない。
路面はそれほど荒れていないが、かなりツイスティで、普段は一般道として使われているため、とくに週末の走り始めは滑りやすい。
サウジアラビアGPは2021年12月に初開催され、翌年から3年は3月に変更されて、今年で5回目の開催となる。チームはすでに多くのデータを持っているが、今年は初めて4月に開催されるため、気温、風、湿度はこれまでとは少し違うものとなる。
なお、昼間の高温を避け、F1の予選、決勝のスタート時間は20時と、バーレーンGPよりもさらに遅く、完全なナイトレースとなる。

ジェッダ・コーニッシュ・サーキットのコース図。全長6.174kmのコースには27ものコーナー(左16コーナー、右11)があるが、ほとんどが中高速で走行。周回の約80%がアクセル全開となる。