「アウトモビリ・ランボルギーニ」社が生み出してきた数々の名車のレガシーを残すため、2015年に誕生した「ポロストリコ」。その10周年を記念し、8回に分けて同部門の事績を追ってみることにする。その5回目は「ポロストリコ」の神技ともいえるフルレストアについて紹介しよう。
「ポロストリコ」の辞書に不可能という文字はないのだろうか!?
数々のフルレストアを続ける「ポロストリコ」は、イタリアの歌手リトル・トニーが所有する「ミウラP400S (車台番号4797)」も手がけている。

7台しかないアズーロ・メキシコ(ライトブルー)のボディカラーを持つ「ミウラ」。その完全復元にもチャレンジ。
この世に7台しかないアズーロ・メキシコ(ライトブルー)のボディカラーで彩られた1台で、2019年に伊ヴィラデステで開催の「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ」で公開された。
2020年には、仏パリ開催の「レトロモビル」で、1973年製「ミウラSVJ(車台番号4860)」の発表も行った。この希少なモデルは、メカニカルな部分も含め細部に至るまで再現された「ポロストリコ」の労作だ。
そして忘れてはいけないのが、2021年に完成した1971年型「カウンタックLP500プロトタイプ」のフルレストアだ。このクルマは衝突試験で破壊されており、その再生作業は2万5000時間を超えるものとなった。
所有する歴史的アーカイブや当時を知る人からの直接の証言を基に行われたのだが、まさに「ポロストリコ」の金字塔といっても差し支えないだろう。

「カウンタックLP500」。衝突実験で破壊されたこのプロトタイプのフルレストアに見事成功。
次回は、フルレストアと並んで「ポロストリコ」の重要な仕事である「真正性認定書」発行について紹介していこう。⇨(Part6/8に続く)