機能充実化でエアーはアッパーグレードに
それゆえ競合他社ブランドからの買い替えユーザーの割合は、従来からアッパーグレードとしてラインナップされてきたスパーダの24%より圧倒的に多い41%となっている。こうした傾向、そしてエアーに対する評価の高さはホンダの狙いどおりであると同時に、想定以上の結果だったのかもしれない。「エアーの外観はそのままに、機能を充実させたグレードが欲しい」というユーザーからの声が増え、そのニーズに応えるように、より上級装備を採用した「エアーEX」が追加されたのだ。
2L直4エンジン+2モーターによるハイブリッド(e:HEV)と、1.5L直4ターボエンジン搭載車の両方に用意されたエアーEXには、運転席&助手席シートヒーターや全列USBチャージャー(タイプA:1ポート+タイプC:5ポート)、2列目オットマン(7人乗り)、本革巻ステアリングホイール、パドルシフト(1.5L)/減速セレクター(e:HEV)、トリプルゾーンコントロール・フルオートエアコンといった、乗員の快適性を高めてくれる内装装備が充実することになる。

エアーEXの7人乗り、2列目シートはオットマンを採用。操作はシート横のレバーで、段階調整もできる。
内装以外でも、リアゲートの開度を記憶させるメモリー機能つきのパワーテールゲートは、最小開度を22度(従来52度)/必要スペースを480mm(同910mm)に改良したうえで採用される。いつも駐車する場所の後方スペースが大きくない場合に役立つ機能だ。こうした装備の追加により、エアーEXとスパーダはシート表皮やインパネガーニッシュなど素材&カラーの違いこそあるものの、機能性を比較するとほぼ同等になったことになる。
シンプルで上品というキャラクターづけによって確固たる個性を獲得したステップワゴン エアーは、エアーEXの追加により従来あったベーシックグレードというイメージから脱却して、アッパーグレードに昇格した・・・今回の発表はそんな印象を感じさせるものだった。
ただし、従来ラインナップされていた「e:HEV車のエアー」グレードは廃止、「1.5L車のエアー」は7人乗りFF仕様だけを残すなど、駆動方式/グレードの再編も行われている。
また、エアロ装備でまとめられたスパーダ系グレードにも「e:HEVスパーダ プレミアムライン ブラックエディション」が追加された。こちらはその名のとおり、主に外装のパーツを黒基調で統一したモデルで、フロントグリルガーニッシュや前後左右のロワガーニッシュにブラッククロームメッキ加飾を採用、またホイールやアウタードアハンドルの色をブラックに変更したグレードとなる。
発売はいずれも2025年5月16日だ。

新たに追加されたe:HEV スパーダ プレミアムライン ブラックエディション。ブラッククロームメッキがボンネット下、フロントグリル下、ロワガーニッシュなどに採用される。ボディカラーは専用色のソニックグレー・パール。
ホンダ ステップワゴン ラインナップ
エアー(1.5Lターボ/7人乗り/FF):334万8400円
エアーEX(1.5Lターボ/7人乗り/FF):354万3100円
エアーEX(1.5Lターボ/7人乗り/4WD):376万3100円
エアーEX(1.5Lターボ/8人乗り/4WD):378万5100円
スパーダ(1.5Lターボ/7人乗り/FF):360万3600円
スパーダ(1.5Lターボ/7人乗り/4WD):382万3600円
スパーダ(1.5Lターボ/8人乗り/4WD):384万5600円
スパーダ プレミアムライン(1.5Lターボ/7人乗り/FF):387万3100円
スパーダ プレミアムライン(1.5Lターボ/7人乗り/4WD):406万3400円
e:HEV エアーEX(2Lハイブリッド/7人乗り/FF):393万8000円
e:HEV エアーEX(2Lハイブリッド/8人乗り/FF):396万円
e:HEV スパーダ(2Lハイブリッド/7人乗り/FF):399万8500円
e:HEV スパーダ(2Lハイブリッド/8人乗り/FF):402万0500円
e:HEV スパーダ プレミアムライン(2Lハイブリッド/7人乗り/FF):426万8000円
e:HEV スパーダ プレミアムライン ブラックエディション(2Lハイブリッド/7人乗り/FF):440万6600円