徹底的に追求された生空力性能が最大の特徴

VRターボのリトラクタブルヘッドランプには、ヘッドランプウオッシャーが標準装着になる。
空気抵抗軽減を図る上で、リアウインドー形状が大きな 要素になるという観点を踏まえ、アルシオ ーネではサイドに3次元曲面ガラスを配した。ボリューム感のあるセンター部から後方に徐々に絞り込み、さらに大きく回り込ませた形状により、サイドラインから 150mm絞り込んだキャビンとなっている。これもスムーズな空気の流れに寄与する。フロントウインドーの傾斜角も空気抵抗を左右する大きなファクターのひとつだが、これにもこだわった。あわせて、高剛性ボディ、優れたシャシ性能は、クルマの根底の部分から静粛性の向上、風切り音の低減を支えている。
フラットボトム化された床下回りとリアアンダースポイラーは整流効果を持ち、リアバンパー下端を後方に伸ばすことでエアスポイラー機能をもたせるなど、独創的な空気抵抗低減を図っている。

ドアハンドルも空力追求のためにフラットなエアプレーンタイプを採用している。
乗用車では世界初となるエアプレーンタイプ・ドアハンドルを採用したことも注目された。これは単に奇をてらったかとも思われがちだが、航空機のドアハンドル技術を応用したもので、ドア表面に完全にフラットに収まる設計とし、車体側面の気流をスムーズに整流した。
これらの総合的な効果は数字にも現れている。空気抵抗については世界でもトップレベルのCD(空気抵抗係数)値=0.29、 実際の空気抵抗に直接関係するCD×A (空気抵抗係数×前面投影面積)=0・35を 達成している。(GTメモリーズ14 AX7/CXD アルシオーネ/アルシオーネSVXより抜粋)
アルシオーネVRターボ(3速AT)主要諸元
●全長×全幅×全高:4450×1690×1335mm
●ホイールベース:2465mm
●車両重量:1130kg
●エンジン:水平対向4 SOHC+ターボ
●排気量:1781cc
●最高出力:135ps/5600rpm(グロス)
●最大トルク:20.0kgm/2800rpm(グロス)
●トランスミッション:3速AT
●駆動方式:フルタイム(スタンバイ)4WD
●10モード燃費:10.2km/L
●車両価格(当時):231.5万円