2025年6月27日(現地時間)、 F1第11戦オーストリアGPがシュピールベルクのレッドブルリンクで開幕する。F1グランプリはカナダから再びヨーロッパに戻り、ここから夏休みまでの6週間で4グランプリが開催される過密スケジュールに突入する。過去3年間、オーストリアGPはスプリントフォーマットで開催されてきたが、今年は通常のフォーマットに戻り、金曜日に2回、土曜日に1回の計3回のフリープラクティスセッションの後、土曜日の夕刻に予選、そして日曜日に決勝が行われる。

F1勢力図に変化!? 前戦カナダGPで今季初めてマクラーレンは表彰台を逃す

前戦カナダGPでは、メルセデスのジョージ・ラッセルがポールポジションから冷静なタイヤマネージメントでライバルを寄せ付けず優勝。ここまでシーズン最速だったマクラーレン勢はややスピードが足らず、終盤には3位争いを展開する中でオスカー・ピアストリとランド・ノリスが接触し、ノリスがリタイアするという悪夢の展開となり、今シーズン初めて表彰台を獲得することができなかった。

ここからシーズンの展開に変化が訪れるのか。ドライバーズ選手権では、マクラーレンのピアストリとノリスが1位、2位をキープしているが、マックス・フェルスタッペンやラッセルもまだまだ逆転可能な位置につけており、今週末のオーストリアGPに注目が集まるところだ。

画像: 前戦カナダGPでは、メルセデスのジョージ・ラッセルが優勝。メルセデスはフリー走行から速さを見せつけた。

前戦カナダGPでは、メルセデスのジョージ・ラッセルが優勝。メルセデスはフリー走行から速さを見せつけた。

2025年F1第10戦カナダGP決勝 結果

1位 63 G.ラッセル(メルセデス)70周
2位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)+0.228s
3位 12 K.アントネリ(メルセデス)+1.014s
4位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)+2.109s
5位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+3.442s
6位 44 L.ハミルトン(フェラーリ)+10.713s
7位 14 F.アロンソ (アストンマーティン・メルセデス)+10.972s
8位 27 N.ヒュルケンベルグ(キックザウバー・フェラーリ)+15.364s
9位 31 E.オコン(ハース・フェラーリ)+1L
10位 55 C.サインツ(ウイリアムズ・メルセデス)+1L
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12位 22 角田裕毅(レッドブル・ホンダRBPT)+1L
ファステストラップ 63 G.ラッセル(メルセデス)

2025年F1ドライバーズランキング(第10戦終了時)

1位 81 O.ピアストリ(マクラーレン) 198
2位 4 L.ノリス(マクラーレン)176
3位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)155
4位 63 G.ラッセル(メルセデス)136
5位 16 C.ルクレール(フェラーリ)104
6位 44 L.ハミルトン(フェラーリ)79
7位 12 K.アントネリ(メルセデス)63
8位 23 A.アルボン(ウイリアムズ)42
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15位 22 角田裕毅(レッドブル)1

2025年F1コンストラクターズランキング(第10戦終了時)

1位 マクラーレン 374
2位 メルセデス 199
3位 フェラーリ 183
4位 レッドブル 162
5位 ウイリアムズ 55
6位 ハース 28
6位 レーシングブルズ 28

標高が高く、エアロダイナミクス、冷却、過給効率が大きな課題となる

オーストラリアGPの舞台となるのは、オーストリアのシュタイアーマルク州の緑あふれるのどかな丘の中にあるレッドブルリンク。かつてはエステルライヒリンク、A1リンクなどと呼ばれたが、コース改修に伴い、レッドブルリンクという名称となった。その名称からもわかるように、レッドブルのホームコースとなる。

コースはほかのサーキットと比べるとユニークで、全長は4318mと短く(モナコ、インテルラゴスに次いで3番目に短い)、しかもコーナー数がわずか10と少ないため、F1マシンはわずか1分ちょっとで周回する。また最高地点と最低地点の標高差が63.5mと大きく、第1セクターは2本のストレートを含む上り坂、第2セクターは第3ターンの急ブレーキングから始まり、その後は第7ターンの入り口まで下り坂となり、そこから再び緩やかな上り坂、さらに最長ストレートと最後の2つの高速コーナーまでまた下り坂となるなど、ダイナミックなレイアウトとなっている。

コースは標高の高い場所にあるため酸素濃度が低い上に、上り坂をエンジン全開で駆け抜けるため、マシンにとってはエアロダイナミクス、冷却、過給効率が大きな課題となる。

タイヤにかかる横方向の力はそれほど大きくないが、ブレーキングと加速を繰り返すレイアウトのため熱によるデグラデーションは課題で、とくに気温が高くなるとタイヤの熱管理が難しい。

画像: レッドブルリンクのコース図。最大のオーバーテイクポイントは上り坂のストレートからのブレーキング勝負となる3コーナー。また、森の中を駆け抜けた後の9コーナー、逆バンク気味の最終コーナーもトリッキーで、オーバーテイクがしばしば見られる。

レッドブルリンクのコース図。最大のオーバーテイクポイントは上り坂のストレートからのブレーキング勝負となる3コーナー。また、森の中を駆け抜けた後の9コーナー、逆バンク気味の最終コーナーもトリッキーで、オーバーテイクがしばしば見られる。

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