2025年7月6日(現地時間)、F1世界選手権第12戦イギリスGPがシルバーストン・サーキットで開催され、マクラーレンのランド・ノリスが優勝。2位にはチームメイトのオスカー・ピアストリが入り、マクラーレンは2戦連続今季5度目の1-2フィニッシュを達成。3位にはキックザウバーのニコ・ヒュルケンベルグが入り、キャリア239戦目で悲願の初表彰台となった。11番グリッドからスタートした角田裕毅(レッドブル)は、他車との追突によるペナルティもあって完走者中最下位の15位に終わった。

典型的な“ブリティッシュ・ウェザー”に翻弄される展開

レース前に降った雨、乾きつつある路面状況下でのインタミディエイトタイヤでのスタート、その後再びの降雨と終盤のドライコンディションと、典型的な“ブリティッシュ・ウェザー”に翻弄される展開となったイギリスGPは、思わぬかたちで決着がついた。

レーススタートではポールシッターのマックス・フェルスタッペンが主導権を奪うものの、ダウンフォースを極限まで削ったレッドブルのセッティングは、ちょい濡れの路面にまったく合わず、8周目にはピアストリが首位を奪う。

その後、レースは2度のセーフティカーが出る荒れた展開に。そしてこのレース最大のドラマが2度目のセーフティカーが退去する寸前の21周目終わりに起きた。 

画像: レース前に降った雨で、乾きつつある路面状況下でスタート。イギリスには「天気が気に入らないなら10分待て」ということわざがあるが、霧雨、小雨、曇り空、晴れ間、大雨、そして気温の上昇と、典型的な“ブリティッシュ・ウェザー”に翻弄されるレースとなった。

レース前に降った雨で、乾きつつある路面状況下でスタート。イギリスには「天気が気に入らないなら10分待て」ということわざがあるが、霧雨、小雨、曇り空、晴れ間、大雨、そして気温の上昇と、典型的な“ブリティッシュ・ウェザー”に翻弄されるレースとなった。

ピアストリにまさかのペナルティ、ノリスが初の母国戦勝利を達成

セーフティカーのランプが消える(=セーフティカーがピットに入る)と同時に、首位のピアストリは後続のペースをコントロールすべくブレーキング。しかしこれがあまりに急減速だったため、2番手のフェルスタッペンが一旦ピアストリの前に出てしまう。審査委員会はこのピアストリの行為を危険と判断し、10秒ものタイムペナルティを課すことになったのだ。

ピアストリの急ブレーキの直後では、加速体勢に移っていたフェルスタッペンが痛恨のスピンを喫して表彰台圏外にドロップしてしまう。これでセーフティカー退去前は3番手だったノリスは楽になった。

その後レースはドライコンディションとなって、全車ドライタイヤへとスイッチ。ピアストリは44周目のタイヤ交換時にペナルティを消化し、しっかりとチームメイトとの差をコントロールしていたノリスは、ここで初めて首位に立つ。

その後も危なげなく周回をこなしたノリスはそのままフィニッシュ。念願だった母国GP優勝を成し遂げ、「夢が叶った。本当は今日はオスカーの日だったかもしれないけど、これもレースだ」と満面の笑顔を見せた。

画像: セーフティカー明けの走行が危険行為とみなされ、ピアストリはペナルティを受けて2位に後退。入れ替わる形で、ノリス-ピアストリのマクラーレンの1-2体勢となった。

セーフティカー明けの走行が危険行為とみなされ、ピアストリはペナルティを受けて2位に後退。入れ替わる形で、ノリス-ピアストリのマクラーレンの1-2体勢となった。

一方、2位に終わったピアストリは「5周前(の1回目のセーフティカー退去時)と同じ動きをしただけなのに。これ以上何か言うとトラブルになるから、多くは語りたくない」と最後まで裁定に納得していない様子だった。

これでランキング首位ピアストリと2番手のノリスはともにシーズン4勝となり、ポイント差は一気に8点にまで縮まった。

画像: イギリスGPのタイヤ戦略。インターミディエイトが路面が乾き始めても良好なパフォーマンスを発揮、レース終盤にはミディアムとソフトのコンパウンドが使われた。

イギリスGPのタイヤ戦略。インターミディエイトが路面が乾き始めても良好なパフォーマンスを発揮、レース終盤にはミディアムとソフトのコンパウンドが使われた。

次戦第13戦ベルギーGPは、2週おいて、7月25日金曜日にスパ・フランコルシャン・サーキットで開幕、決勝レースは7月27日に開催される。(文:新村いつき)

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