2025年7月17日〜20日(現地時間)、WRC世界ラリー選手権第8戦 ラリー・エストニアがエストニア中南部のタルトゥを起点としたグラベル(未舗装路)で開催される。ステージの路面は比較的フラットでスムースなグラベルだが、道幅が狭くツイスティなセクションも少なくなく、砂地はやや軟らかく、同じステージを2回目に走行する際には深い轍が刻まれることもある。

エストニア第2の都市「タルトゥ」を中心に開催される

ラリー・エストニアは、首都タリンの南東約180km、クルマで2時間ほどの場所に位置するエストニア第2の都市「タルトゥ」を中心に開催される。サービスパークは前回と同様、ラーディ飛行場跡に設けられたエストニア国立博物館の敷地内に設けられ、木曜日から4日間にわたり競技が行われる。

初日の17日(木)はタルトゥ中心部の歴史的な市庁舎広場でのセレモニアルスタートに続き、デイ1としてサービスパークのすぐ近くで、夜8時過ぎから全長1.76kmのスーパーSSが1本が行われる。

本格的な戦いは18日(金)のデイ2から始まり、午前はサービスパークの北側で2本のステージを各2回走行。ミッドデイサービスを経て、午後はサービスパークの南側で1本のステージを2回走った後、最後に全長1.72kmのスーパーSSを走って一日を終える。

競技3日目の19日(土)は、サービスパークの南側エリアを舞台に、午前は2本のステージを各2回走行し、ミッドデイサービスを経て、午後は別の2本のステージを各2回走行。さらに、一日の最後には木曜日に走行したスーパーSSを、SSS17として再走。9本のステージの合計距離は125.76kmと、4日間で最長の一日となる。

最終日の20日(日)は、サービスパークの南側エリアで3本のステージをミッドデイサービスを挟むことなく走行。そのうち、SS19の再走となる最終ステージのSS21は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに対してボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。

ラリーは4日間で20本のステージを走り、その合計距離は308.35km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1240.54kmとなる。

画像: ラリー・エストニアのステージマップ。エストニア第2の都市「タルトゥ」を中心に、スムーズなグラベルにステージが設定される。雨の心配はそうないが、雨が降ると状況は一変する。

ラリー・エストニアのステージマップ。エストニア第2の都市「タルトゥ」を中心に、スムーズなグラベルにステージが設定される。雨の心配はそうないが、雨が降ると状況は一変する。

注目はエストニア出身のタナック(ヒョンデ)、前戦優勝で調子も上昇中!?

トヨタはセバスチャン・オジェが欠場し、エルフィン・エバンス、カッレ・ロバンペラ、勝田貴元の3台がワークスエントリー。エバンスは、このラリーでの優勝こそないが、2022年大会では2位に入賞、性格の似たラリー・フィンランドでは2回勝利を手にするなど、高速グラベルラリーを得意としている。ロバンペラにとってはさらに相性のいいラリーで、2021年にここでWRC初優勝を達成すると、その後2023年まで3年連続で勝利を重ねている。

一方のヒョンデはオイット・タナック、ティエリー・ヌーヴィル、エイドリアン・フルモーの3台で参戦。中でも注目はエストニア出身のタナック。前戦アクロポリス・ラリーで今季初勝利をあげて、勇躍母国に凱旋することになり、当然、連勝を狙って乗り込んでくる。ここでヒョンデが連勝すると、チャンピオンシップの行方はまったくわからなくなる。

画像: 今季7勝目を狙うトヨタ。ここ数戦はヒョンデとの間で接戦が続いており、高速グラベルラリーでどんな戦いが繰り広げられるか興味深い。

今季7勝目を狙うトヨタ。ここ数戦はヒョンデとの間で接戦が続いており、高速グラベルラリーでどんな戦いが繰り広げられるか興味深い。

画像: ヒョンデのオィット・タナックにとってはホームイベント。地の利を生かして前戦に続く連勝なるか。

ヒョンデのオィット・タナックにとってはホームイベント。地の利を生かして前戦に続く連勝なるか。

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