トヨタ優勢の構図ながら、前戦アクロポリスではヒョンデが優勝
全14戦で行われる2025年WRCの前半戦で、トヨタは開幕から6連勝を達成。前戦第7戦アクロポリス・ラリー・ギリシャでは、3戦連続してトヨタのセバスチャン・オジェとヒョンデのオィット・タナックの優勝争いとなる中、タナックが優勝。ついにヒョンデがトヨタの連勝を止めることになった。

第7戦アクロポリス・ラリー・ギリシャを制したオィット・タナック。ヒョンデに今季初優勝をもたらした。ここまで惜しいラリーが続いていただけに、一騎の巻き返しは十分にある。
それでもオジェが2位に入り、トヨタはマニュファクチャラーランキング首位を堅持。また、グラベル(未舗装路)ラリーでは不利となる出走順トップで3戦を走行したエバンスが、ドライバーランキングトップの座を守っている。
ヒョンデにとっては得意のグラベルラリーがまだまだ続くだけに、ここからの巻き返しが注目されるところ。ここまではトヨタ優勢でシーズンが進んでいるものの、まだ決定的な差とはいえず、ヒョンデは十分に逆転の可能性を残している。
【参考】2025年 WRC第7戦アクロポリス・ラリー・ギリシャ 結果
1位:O.タナック(ヒョンデ i20N ラリー1)4h12m20.1s
2位:S.オジェ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+32.8s
3位:A.フルモー(ヒョンデ i20N ラリー1)+3m09.8s
4位:E.エバンス(トヨタ GRヤリス ラリー1)+3m31.1s
5位:T.ヌーヴィル(ヒヒョンデ i20N ラリー1)+6m09.5s
6位:O.ソルベルグ(トヨタ GRヤリス ラリー2)+10m34.7s
7位:G.グリーンスミス(シュコダ・ファビアRS ラリー2)+11m28.5s
8位:Y.ロッセル(シトロエンC3 ラリー2) +11m43.7s
9位:K.カエタノビッチ(トヨタ GRヤリス ラリー2) +12m56.7s
10位:A.カション(トヨタ GRヤリス ラリー2) +14m19.9s
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27位:K.ロバンペラ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+39m08.9s
30位:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)+44m09.1s
【参考】2025年 WRCドライバーズランキング(第7戦終了時)
1位 E.エバンス(トヨタ)150
2位 S.オジェ(トヨタ)141
3位 O.タナック(ヒョンデ)138
4位 K.ロバンペラ(トヨタ)117
5位 T.ヌーヴィル(ヒョンデ)96
6位 勝田貴元(トヨタ )63
7位 A.フルモー(ヒョンデ)61
【参考】2025年 WRCマニュファクチャラーズランキング(第7戦終了時)
1位 トヨタ 358
2位 ヒョンデ 293
3位 Mスポーツ フォード 97
ステージは全体的に道幅が広く路面はフラットで、流れるようなコーナーが続く
迎えるシーズン後半戦、最初のイベントは、バルト3国の一国であるエストニアで開催される第8戦ラリー・エストニア。2年ぶりにWRCのカレンダーに復帰したこのラリーは、続く第9戦ラリー・フィンランドとともに「ハイスピード・グラベルラリー」として知られている。

ステージはハイスピードで流れるようなコーナーが続き、路面コンディションも良好だが、森の中の区間で難しい部分もある。
第5戦から第7戦までの3戦は非常に荒れた路面を多く走行する「ラフ・グラベルラリー」だったが、同じグラベルラリーであっても前戦までとはまったくキャラクターが異なるハイスピードなラリーとなるため、選手にとってもチームにとっても新たなるチャレンジとなる。
エストニアは全体的に道幅が広く、路面はフラットで、流れるようなコーナーが続き、路面コンディションも良好なので、ドライバーは速く走ることに集中できる。一方で森の中のステージには道幅が狭くツイスティで難しい箇所が多くあり、路面はフィンランドより柔らかく、轍ができやすいので決して簡単ではない。
グラベルラリーでは出走順が早いドライバーが不利となることが多いが、実際にラリーで直面するコンディションは天候に大きく左右される。