2025年9月11日から14日にかけて、世界ラリー選手権(WRC)第11戦ラリー・チリ・ビオビオがチリ中南部ビオビオ州のコンセプシオンを中心に開催される。ラリー・チリ・ビオビオは、ラリー・デル・パラグアイに続いてグラベル(未舗装路)ラリーだが、コースはチリの森林地帯の中高速ステージが中心となる。北欧のラリーを得意とするドライバーが有利か。

混沌としてきたドライバーズタイトル争い

2025年のWRCも今週末のラリー・チリ・ビオビオを含めて、残すところ4戦。WRC初開催となった前戦第10戦ラリー・デル・パラグアイではセバスチャン・オジェ(トヨタ)が今シーズン4勝目を獲得し、総合2位でフィニッシュしたエルフィン・エバンス(トヨタ)がドライバー選手権首位の座を守っている。

画像: 前戦第10戦ラリー・デル・パラグアイでは、トヨタのセバスチャン・オジェとエルフィン・エバンスが1-2フィニッシュ。

前戦第10戦ラリー・デル・パラグアイでは、トヨタのセバスチャン・オジェとエルフィン・エバンスが1-2フィニッシュ。

その結果、トヨタはマニュファクチャラー選手権において、2位ヒョンデとのポイント差を100に拡大したが、ドライバーズ選手権争いは混沌としてきており、上位5人にまだチャンスは残されている。

中でも注目されるのはオジェ。今季はイベントを絞っての参戦ながらトップと9ポイント差につけており、ドライバーズ選手権の状況を見て9回目のタイトル獲得に意欲を燃やし、本来は出場予定のなかったラリー・チリ・ビオビオにも参戦する。

一方で不利な状況に置かれているのはエバンスで、ドライバー選手権首位の座を守ったことにより、今回もグラベルのステージでは不利とされる出走順トップでラリーにのぞなくてはならない。もっとも、同様の条件だったパラグアイでもエバンスは速さを示し総合2位に入っているが。

ヒョンデ勢の動きにも注目が集まる。前戦第10戦ラリー・デル・パラグアイでは、フィニッシュ後、最終ステージで表彰台圏外から脱落して4番手フィニッシュしたエイドリアン・フルモーを、ラリー・チリへのペナルティなしでのパーツ交換とタナックのポイント追加を狙って意図的にリタイアさせた。マニュファクチャラー選手権獲得が難しくなってきた状況で、どのような戦略でくるのか興味深い。

なお、第10戦ラリー・デル・パラグアイと第11戦ラリー・チリ・ビオビオは、レギュレーションにより「リンクド・ラリー」として定義され、同じギアボックスやディファレンシャルなどが使われる。

【参考】2025年 WRC第10戦ラリー・デル・パラグアイ 結果

1位:S.オジェ(トヨタ GRヤリス ラリー1)3h00m06.6s
2位:E.エバンス(トヨタ GRヤリス ラリー1)+26.2s
3位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ i20N ラリー)+27.2s
4位:O.タナック(ヒョンデ i20N ラリー) +30.6s
5位:K.ロバンペラ(トヨタ GRヤリス ラリー1) +2m05.2s
6位:S.パヤリ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+3m35.5s
7位:O.ソルベルグ(トヨタ GRヤリス ラリー2)+6m53.8s
8位:Y.ロッセル(シトロエンC3 ラリー2) +7m16.3s
9位: N.グリアジン(シュコダ ファビアRS ラリー2) +8m48.2s
10位: F.ザルディヴァー(トヨタ GRヤリス ラリー2) +9m17.0s
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16位: 勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)+22m10.9s

【参考】2025年 WRCドライバーズランキング(第10戦終了時)

1位 E.エバンス(トヨタ)198
2位 K.ロバンペラ(トヨタ)191
3位 S.オジェ(トヨタ)189
4位 O.タナック(ヒョンデ)180
5位 T.ヌーヴィル(ヒョンデ)150
6位 勝田貴元(トヨタ)88
7位 A.フルモー(ヒョン)71
8位 O.ソルベルグ(トヨタ)58

【参考】22025年 WRCマニュファクチャラーズランキング(第10戦終了時)

1位 トヨタ 513
2位 ヒョンデ 413
3位 Mスポーツ フォード 143

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