フロントマスクをスズキ専用にデザイン
もうひとつのBEVコンセプトモデルは、商用の軽自動車eエブリイ コンセプトだ。これは2023年5月にスズキ、ダイハツ工業、トヨタ自動車が共同で公開した「商用軽バン電気自動車」に関連するモデルで、小さなクルマづくりのノウハウと電動化技術を3社で持ち寄り結集させた商用軽BEV。
ダイハツの軽商用バンのボディを採用しつつ、振動の少ない静かな走行や、BEVらしい力強い走行性能を搭載、またフロントマスクをスズキ専用にデザイン、幾何学模様のデジタルモチーフをボディサイドに取り入れるなど独自デザインを採用する。走行可能距離は200kmとしている。
2023年3月から市場導入している、社有車管理の困りごとをDXで解決するサービス「SUZUKI FLEET(スズキ フリート)」との連携も行われる。専用デバイスを車載の電源に挿入するだけで、PC画面・専用アプリで管理・操作できたり、アルコールチェックの日報/月報を自動化するなど、管理の簡略化を可能としている。

ラストマイル輸送に適したBEVを、法人を中心に提供する商用軽EV「eエブリイ コンセプト」。
それぞれの国や地域に適したカーボンニュートラルを実現するため、その選択肢を複数展開する戦略、マルチパスウェイ。その一角を担うバイオ燃料モビリティが「フロンクス FFV コンセプト」だ。植物を原料としたエタノール燃料を活用した環境技術で、さまざまなエタノール濃度に対応する1.2Lエンジンを搭載している。
スズキの世界販売台数の大部分を占めるインドは有数のサトウキビ生産国で、バイオ燃料モビリティの普及はCO2排出量削減だけでなくエネルギー自給率向上や地域経済の活性化などの効果も見込まれるという。今回のJMS2025では四輪自動車だけでなく、オートバイのジグサー SF250 FFV、船外機のDF60A FFVコンセプトといった、バイオ燃料モビリティの多角展開が行われる。

世界中でバイオエタノール燃料車両の普及が進む中、日本でも2028年度をめどに一部地域で先行導入する予定だという。
このほかにも四輪自動車では2025年9月に発売されたばかりのBEV「eビターラ」や、ビッグマイナーチェンジしたばかりの「クロスビー」、4ドア小型車の本格オフローダー「ジムニーノマド」、スーパーハイトワゴンの軽自動車「スペーシア」なども展示される。またオートバイや新しい原付一種、特定小型原付、セニアカー40周年展示、馬をモチーフとした次世代四脚モビリティ「MOQBA PROTO TYPE-02(モクバ プロトタイプ02)」など幅広いジャンルのモビリティが展開されるという。スズキの展示スペースは「東4・5・6ホール」となる。