2025年10月19日(現地時間)、F1第19戦アメリカGPがアメリカ・テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカで開催され、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝、2位にマクラーレンのランド・ノリス、3位にはフェラーリのシャルル・ルクレールが入った。13番手グリッドからスタートした角田裕毅(レッドブル)はスタートからレース序盤にかけて順位を上げて7位でフィニッシュ。前日のスプリント(7位)に続いて2日連続でポイントを獲得した。

フェルスタッペンがスプリントに続いてトップでフィニッシュ

ポールポジションのフェルスタッペンと2番グリッドのノリス、ふたりの戦いになると予想されたレースで、「想定外」の展開を呼んだのはスタートでのタイヤ戦略だった。上位陣のほとんどがミディアムを選択してレースに臨む中、フロントロウに並んだふたりの後ろ、3番グリッドについたルクレールが履いていたのはソフトタイヤ。案の上、スタートダッシュは抜群で、ターン1までにノリスをかわして2番手に浮上してしまった。

画像: アメリカGPのスタート。ソフトタイヤを選択したフェラーリのシャルル・ルクレールが、マクラーレンのランド・ノリスをかわして2番手に浮上。

アメリカGPのスタート。ソフトタイヤを選択したフェラーリのシャルル・ルクレールが、マクラーレンのランド・ノリスをかわして2番手に浮上。

そこからは主導権を奪って逃げるフェルスタッペンと、なんとかルクレールをかわして首位を追いたいノリスという構図がレースのほとんどを占めることに。第1スティントではルクレールは21周目までノリスを抑え込み、ようやくポジションが入れ替わった時にはすでに、フェルスタッペンとの差は10秒の大差がついていた。

そしてルクーレルがミディアム、少し間を置いてノリスとフェルスタッペンがソフトへのタイヤ交換を終えた第2スティント序盤のオーダーも、フェルスタッペン→ルクレール→ノリスとなり、ノリスはまたもルクレールの攻略に時間を取られることになってしまう。51周目にようやくノリスが2番手に再浮上したとき、フェルスタッペンとの差は8.5秒もあった。

画像: トップ15台の中で唯一、スタートでソフトタイヤを選択したシャルル・ルクレール(フェラーリ)はグリップの優位性を活かして首位を争う走りを見せると、ミディアムタイヤの第2スティントでもランド・ノリス(2スティント目でソフトを使用)との激しい攻防を繰り広げ3位に入賞した。

トップ15台の中で唯一、スタートでソフトタイヤを選択したシャルル・ルクレール(フェラーリ)はグリップの優位性を活かして首位を争う走りを見せると、ミディアムタイヤの第2スティントでもランド・ノリス(2スティント目でソフトを使用)との激しい攻防を繰り広げ3位に入賞した。

ドライバーズチャンピオン争いは波乱の兆し?

これで勝負あり。結局1度もトップの座を脅かされることのなかったフェルスタッペンが、前日のスプリントに続いてトップチェッカーを受けた。

画像: 今季5勝目をあげたレッドブルのマックス・フェルスタッペン。ルクレールとノリスの2位争いをよそに、一度も首位の座を失うことはなかった。

今季5勝目をあげたレッドブルのマックス・フェルスタッペン。ルクレールとノリスの2位争いをよそに、一度も首位の座を失うことはなかった。

シーズン5勝目となったフェルスタッペンは、「ノリスと僕のレースペースはほとんど同じで、勝負を分けたのは第1スティントでつけた差。おかげて楽にリードをキープできた」と完全勝利に満足気。一方のノリスは「(ルクレールをかわすのに)長くかかりすぎた」と肩を落とした。

選手権リーダーのオスカー・ピアストリは週末の悪い流れを断ち切れずにこの日も5位に沈み(スプリントではピアストリ、ノリスともにインシデントに巻き込まれてリタイア)、この結果ドライバーズ選手権ランキングはピアストリが346点、ノリスが332点、フェルスタッペンが306点という状況に。マクラーレンの独走のまま終わるかに見えた戦いに、波乱の兆しが漂ってきた。

画像: アメリカGPのタイヤ戦略。レース前は「ミディアム→ハード」が想定されていたが、リアタイヤの摩耗が良好だったため、ほぼ全車が最終スティントでレッド(ソフト)タイヤを使用した。

アメリカGPのタイヤ戦略。レース前は「ミディアム→ハード」が想定されていたが、リアタイヤの摩耗が良好だったため、ほぼ全車が最終スティントでレッド(ソフト)タイヤを使用した。

次戦第20戦メキシコシティGPは、10月24日、メキシコの首都メキシコシティのエルマノス・ロドリゲス・サーキットで開幕、決勝は10月26日に開催される。(文:新村いつき)

This article is a sponsored article by
''.