トヨタ自動車は「交通事故ゼロ社会の実現」に向けて今、どのような取り組みを行っているのだろうか。その中核を担う「トヨタらしいSDV」開発の現状についての説明・体験会が、メディア向けに実施された。クルマ、ヒト、インフラの「三位一体」で追求する理想に向けた取り組みの中で注目すべきはどうやら、「コミュ力(りょく)」らしい。

さまざまなシーンでの「協調」がつなぐ安心と安全の絆

Japan Mobility Show 2025の開催を前に、国内の自動車メーカー各社が、さまざまな形でのパブリシティ活動を積極的に展開している。

画像: 必要な場所に必要な情報を必要な瞬間に届けることが、交通流制御の精度を高める。通信インフラの能力の効率的な利用も、課題だ。

必要な場所に必要な情報を必要な瞬間に届けることが、交通流制御の精度を高める。通信インフラの能力の効率的な利用も、課題だ。

画像: 多彩なセンサー、カメラ類の設置は必須。現在は自治体などの協力を得て、いくつかの交差点などに同様のシステムが設定され、実証に取り組んでいるという。

多彩なセンサー、カメラ類の設置は必須。現在は自治体などの協力を得て、いくつかの交差点などに同様のシステムが設定され、実証に取り組んでいるという。

トヨタ自動車もまた「TOYOTA JMS PROLOGUE 2025」と銘打って、メディア取材会を実施。先だってWebモーターマガジンでもご紹介した「ランドクルーザーFJ コンセプト」を皮切りに、JMS開幕に向けてさまざまな情報を発信していくことになる。その一環として開催された、最新の知能化技術についての説明・試乗体験会について報告しよう。

プログラムの冒頭、トヨタ自動車デジタルソフト開発センターのセンター長である皿田明弘氏があいさつを行い、「トヨタらしいSDVとは何か?についてご理解を深めて頂く場となれば」とコメント。インフラ、ヒト、そしてクルマの「三位一体の取り組み」の重要性を強調した。

続いて次の3つの要素についての、ワークショップが実施された。

●インフラとの協調に必要な「管制システム」と「高速で切れ目のない通信」の基盤づくり

交通集中などに伴う車線変更や合流などの「流れの変化」による事故の発生を回避する手段のひとつとして、交通流の全体的な最適化を実現する管制システムの導入を検討。車両同士の協調性を高めることで、危険なシーンを減らすことを目指している。その際各種センサーやカメラなどからの情報収集、伝達を、高い品質を確保しながら素早く、広い範囲で行うことの必要性に着目し、電波状況・周辺環境に応じてリアルタイムで通信を確保する基盤づくりを推進している。

●衝突被害の軽減につながるクルマとヒトの「行動予測」と「働きかけ」

「衝突被害軽減ブレーキ」のように、刹那、実際に発生している危険に素早く対応して被害を回避、軽減する技術の進化には、目覚ましいものがある。トヨタはそこからさらに「2秒、3秒、5秒先の予測が出来ると世界が変わる」と考え、様々なセンシングに基づく情報収集と分析した結果をもとに、危険の発生を予測するシステムの実用化を研究している。同時に、予測に基づくドライバーの最適な行動変容を促すために、AIエージェントによるアドバイスなど「最適なサポート術」の利用法についても検証中だ。

●SDV実現を加速させるプラットフォーム「Arene(アリーン)」

アプリケーションとハードウェアをつなぐ、トヨタ独自のミドルウェア/開発キットが「Arene(アリーン)」。いわゆる「ソフトウェアプラットフォーム」の核として、SDV実現を加速させる「エンジン」だ。複数の機能を同時に、しかも高速で更新できるほか、よりスムーズで信頼性の高いユーザーエクスペリエンスを実現。ドライバーの個性や好みに合わせたカスタマイズにも対応しやすく、そこに最新の技術を取り込むことも容易になる。Areneがもたらすユーザーベネフィットは、多彩だ。

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