ポルシェは、まもなくデビューする新型フル電動SUV「カイエン・エレクトリック」に搭載される、革新的な高電圧システムの詳細を明らかにした。ポルシェのDNAである走行性能を犠牲にすることなく、航続距離と充電の利便性を飛躍的に向上させるこのシステムは、次世代の「E-Performance」の基礎を築くものとなる。
革新的な高電圧システムによって、ロングツーリングも快適
「カイエン・エレクトリック」に搭載される800ボルトアーキテクチャは、クラス最速レベルの急速充電能力と、世界に先駆けた量産型ワイヤレス充電技術の採用が注目される。

6つの交換可能なモジュールと192個の大判パウチセルを備え、エネルギー密度は7%向上した。セルとバッテリーハウジングの比率は、第2世代のタイカンバッテリーと比較して12%改善されている。
システムの中核となるのは、総エネルギー容量113kWhの機能統合型高電圧バッテリー。安全性、コンパクトさ、高効率を兼ね備えた設計だ。プロトタイプによる実走テストでは、113km/hの最大許容速度で560km以上を走り切ったという。
車両構造に直接統合されるこのバッテリーは、ボディ剛性を高めるとともに、動的特性に大きく影響する低い重心も実現。俊敏なハンドリングを生む。最大限の効率とともに、ポルシェならではのドライビングダイナミクスを両立することが可能だ。
また、冷却システムには、エネルギー消費が従来のファンより約15%少ない圧力ファンを初めて採用。インテリジェントな熱管理と組み合わせることで、エネルギー損失を最小限に抑え、一貫して高い充電出力とパフォーマンスを維持する。
さらに、進化した充電プランナーが、走行中に次の充電ストップに向けてバッテリーを最適な温度に調整(プレコンディショニング)し、充電時間を大幅に短縮する。


